SAO編−白百合の刃−
SAO1-氷の漆黒
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ンカはやめなさい!」
私達の間にアスナさんが入り、互いの肩に手を当てられて引き離した。
……怒られた。まぁ、私が滅茶苦茶なこと言っているから悪いのは同然か、反省。
そしてどうやら、アスナさんは風紀員に似合う生真面目な人らしい。うん、似合いそうだ。
「ケンカって……アスナ、別に殴り合いの展開にはならないから安心しろ、」
「でも、キリトが素直にあげたらよかったんだよ」
「そんな結論にはならないからな」
「いやなるよ。キリトが素直にあげたら、アスナ様にも注意されずに済んだから」
「元を辿れば、お前が無茶苦茶なこと言っているからだろ」
その通りなんだけど、やっぱりムカつくんだよね。アスナさんからキリトに恋をしているってさ。そこは多少許してほしい。
熱を冷めずにまた口論に発展しようとしていた私達を見て、アスナはうんざりした様子なのか、考え始めた。そして額に手を当て、ピカンと電球マークが浮かび上がったように提案してきた。
「じゃあ、皆で仲良く食べましょう」
「「え〜」」
「いいわよね、二人共?」
「え、え…」
キリトが反対する前にアスナさんが右手をキリトの胸倉をガッシと掴み、そのまま顔を数センチの距離までぐいと寄せる。
「い・い・わ・よ・ね?」
アスナの顔は笑顔だけど、楽しいとか嬉しいとか喜びの笑顔ではなく、脅しの笑顔をしていた。
そうじゃなくても、不意打ちにドギマギしたキリトは頷いてしまった。アスナさんは笑顔でこちらへ向いてきたので、私は脅される前に頷いた。仕方ない、アスナと一緒に食事するためなら、キリトも一緒でも構わないわ。
「悪いな、そんな訳で取引は中止だ」
キリトは振り向き、エギルの取引を断った。そう言えば私も取引しに来たんだっけな、アスナさんのことですっかり忘れていたわ。
「あ、私も中止ね」
「いや、それはいいけどよ……。なあ、オレ達ダチだよな? な? オレにも」
「嫌」
「即答かよ!? まだ言い終わってないぞ!」
「だ〜め」
「せめて聞いてから断れよ! なぁ、キリト、何か言ってくれよ。オレにも味見くらい……」
「感想文を八百字以内で書いてきてやるよ」
「そりゃあないだろ!」
キリトのとどめの言葉。それはこの世の終わりか、といった顔でエギルは情けない声を出していた。悪いね、エギル。自分で手に入れてね。
「じゃあ、あとは場所だね。キリトは論外として……」
「わ、悪かったな、論外で」
料理スキルは、料理道具と釜戸、オーブンの類が最低限必要になる。キリトの部屋は行ったことあるから論外だと言える。キリトの部屋は、それはそれはとても女の子を招く部屋ではなかった。例えるなら、女子を招くことを想定してない一人暮らしの部屋だ
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