暁 〜小説投稿サイト〜
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SAO編−白百合の刃−
SAO1-氷の漆黒
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あるプレイヤーがホームにしているから、私も癖があるかと思うと、やっぱり“彼”に似ているものがあるんだと、改めて思ってしまう。つか、他人から見れば似ている以上か。私自身も“彼”に一番似ているって自覚はしている。
 とにかく、ラグー・ラビットの肉とアイテムを買取したいので、顔馴染みのゴツイ体系ながらも笑うと愛嬌のある、エギルと言うプレイヤーが経営している買い取り屋へ足を向けた。
 ラグー・ラビットの肉は食べたかったけど、料理スキルが高いので無理だし、S級の食材を扱える知り合いは皆無。美味を感応するのは残念だけど、手持ちにあったって宝の持ち腐れにしかならないので、金にしたほうが使い道はいいだろう。金は増えても困らないしね。
 転移門のある中央広場から西に伸びた目抜き通りへと踏み込み、人ごみを縫いながら数分歩くと、エギルの買い取り屋についた。五人も入ればいっぱいになってしまうような店内に入った途端だった。

「あっ……」

 店内には嫌でも見知っている“彼”の存在を捉えた。
 私が全身白に対して彼は全身黒。古ぼけた黒いレーザーコートに同色のパンツとシャツ。同じ金属製防具が少なくて、美肌で顔立ちが良い生意気な奴なんて、この世に一人しかいない。

「ちーす、キリト君元気ぃー?」
「うわぁっ」

 なによ、その反応。まるで私が来ることなんて微塵も思ってなかったのか? なんか失礼するわ。

「なんだ……キリカか……」
「そう、キリカちゃんでーす」
「会うたびにいちいち変わった挨拶とかするなよ」
「ユーモアがあっていいじゃない」
「ユーモアと言うよりかは、アホな子だな」

 クールで皮肉? なのかはどうなのかは知らないが似合わないであろう
 数少ないフレンドリストの一人で、私と同じソロプレイヤー。そして、私と同じ一つ屋根の下で住んでいる。私、桐ヶ谷優香の実の兄であり双子の兄、桐ヶ谷和人ことキリトでもある。
 私達は一卵双生児の双子。普通は男女で一卵双生児にはならないけど、極まれに男女の一卵双生児の双子が私達である。一卵双生児は双子のように瓜二つの容姿でないことが特徴。実際に私達は双子に見えないと言われたことはある。でも双子故なのか、似ているところは似てしまうようだ。例えば、桐ヶ谷和人の最初の二文字と最後の一文字でキリト。桐ヶ谷優香の最初の二文字と最後の一文字でキリカ。キリまでは一緒というHN。他にも住んでいるところが五十層だとか、ジャンルは違うけどゲーム好きだとか、目が似ているところとか、たまに声がハモッたりとか似ているところは似ている。これが双子の宿命なのかしらね……。
 最初は二人で攻略していたけど、“ある出来事”を期に、今はお互いにソロプレイヤーとして攻略している。最近はボス戦でしか会わないか。
 キリトか……。今ソロな
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