SAO編−白百合の刃−
SAO1-氷の漆黒
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ィカルヒット。
悪巧みの可愛くないうさぎは奇声を上げ、斬られ役が名演技ばりのように背中から倒れて、奴の動きは静止。そしてガラスを割り砕くような大音響とともに微細なポリゴンの欠片となって、風とともに舞い散り、消滅した。
そう、イービルラビットマンのHPが0になり死亡したと言うことになるのだ。
これが現実世界とは違う。
ソードアート・オンラインの死。
格好つけかもしれないが、ブンブンとカタナをペン回しのように振り回して鞘に収めた。いや、女だけど一度は憧れるんだよね、ポーズ。
モンスターを倒した私には、経験値と時々アイテムが貰える。視界中央に紫色のフォントで浮き上がった加算経験値とドロップアイテムリストを一瞥してみた。
「こ、これはっ」
手に入れた物は食料品。
「ラグー・ラビットの肉!?」
だがしかし、それは滅多に手に入らないアイテムであることに驚愕した。
たかが食料品に驚くことはないと思ってはいけない。本来は超レアモンスターであるラグー・ラビットを倒せば手に入れられるが、そのモンスターは逃げ足の速さに関して、モンスターの中でも最高の位置にあたるために、倒すところか接近戦になるのも難しいので、なかなか出に入れないのが、ラグー・ラビットの肉だ。ラグー・ラビットの肉は値段にすれば十万コルで取り引きするのもよし、最高級の美味と設定されているから食べるのもよしと、どちらにしても嬉しいアイテム。……前から思っていたけど、コルより円の方がわかりやすいのでは? いや、円にしたらファンタジーの世界観なくなるか。
イービルラビットマンがラグー・ラビットの肉を持っていたのは、他のプレイヤーから奪って逃走したまんま、私と遭遇したのか。奪われたプレイヤー、ご愁傷様です。
さて、と。S級のアイテムが持っている以上、下手に進んで盗賊プレイヤーかイービルラビットマンに盗まれたらもったいない。せっかく手に入れたのだから、自分で使うべきだと解釈して腰の小物入れから青色の宝石を取り出した。
魔法の要素がほどほど排除されているこの世界で、わずかに存在するマジックアイテムは全て宝石の形をとっている。
大変貴重ではあるけど、“今後の誓い”と言う形での対価だと言い聞かせて青い宝石を使用、瞬間転移で七十四層の転移門に行かずに五十層のアルゲードへ転移した。
●
アルゲードは簡潔に表現すれば猥雑の一言に尽きる。
広大の面積なのに巨大な施設はひとつとして存在せず、無数の狭くて通行困難な道が重層的に張り巡らされているし、何を売るとも知れぬ怪しげな工房や、二度と出てこられないのではないかと思わされる宿屋などが軒を連ねている。雰囲気的には現実世界の電気街に似ているかもしれない。
“彼”を含めた一癖も二癖の
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