第20話 沈む心、甦る決意
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のはさんは気絶した以外は外傷はなかったんですが、シャムスさんの方は封印魔法の際の外傷と、体の中にジュエルシードの魔力が渦巻いていて、とても危険な状態でした」
「だ、大丈夫だったの?」
思わずといった風に、すずかが言った。
「ええ、どちらも純吾の方の魔法で治療を行う事ができました。シャムスさんの姿が今のようになったのは、その時の副作用みたいなものです。ジュエルシードの魔力に純吾の魔法が働きかける事で、魔力が体を変化させるという方向性に作用したということなんですが……。純吾の使う魔法は完全に専門外ですので、シャムスさんに聞いた範囲でしかお話しすることができません」
あわただしく純吾以外の全員が、未だに顔を歪ませメンチ切りあっていた仲魔2人に向いた。視線を感じ取った2人は仲がいいのか悪いのか、同じタイミングで向かい合わせていた顔を自分たちの体面に座っている忍達へと向けた。
「この駄猫ちゃんの言ってる事だけど、はっきり言って私も見た事が無いわ。【アムリタ】にしたって本当の神酒を呼びだすわけじゃないし、ジュエルシードですっけ? とりあえずそっちの技術の影響があるのは間違いないんだから、今この事に明確な答えを出すのは無理よ」
「にゃっはっは。やーい、説明できないでにゃんの〜」
「あんたもしっかり説明できない癖に、何調子乗ってんのよこの駄猫! いや駄肉っ!」
忍達に説明をしてくれたと思ったら、シャムスのちゃちゃにすぐにまた睨みあいに戻ってしまったリリー。
その呆れるほどの仲の悪さもさることながら、今まで聞いた話では本当に命の危険があったシャムスのはつらつとした様に本当に呆気にとられた様子で、改めて一同は彼女たちを見た。
「えっと、割と話を聞いてる限りだと無理しちゃいけないと思うんだけど。
シャムス…さん? でいいかしら、あなた、本当に大丈夫なの?」
呆気にとられた顔のまま忍が尋ねる。柳眉を逆立ててリリーと睨みあっていたシャムスはそれに気が付き、くるりと表情を変えるとともに忍へ顔を向けた。
一方のリリーはにらみ合いの相手が何の予兆もなく、いきなり視線を逸らされたことに少し肩すかしをくらったかのような気分になり、桜色の唇をへの字に曲げた。そして偶然、忍が“大丈夫”と口にした時、視線の先にいる純吾の肩が小さく、本当に小さく震えるのを見た。
他の人がシャムスと忍に視線が集まる中、彼女だけは目を険しくして純吾に向ける。
「ん〜、別にどうってことはにゃいよ。調子の悪い所はにゃし、むしろこうやって皆と話す事ができて、ラッキーって感じにゃ」
言った事は本当なのだろう、嬉しそうな顔をしてそう言い切るシャムス。そしてみんなに向かってそう言った後、彼女は少し離れた所にいる新しい主人となった少年に一
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