暁 〜小説投稿サイト〜
対決!!天本博士対クラウン
第五十五話

[8]前話 [2]次話

                  第五十五話  嫌な予感
 ひとしきり遊んだ一同。ようやく遊園地を後にするその時であった。
「!?」
 六人同時であった。悪寒が彼女達の全身を襲ったのであった。
「何これ」
「まさか」
 六人は顔を見合わせる。そうしてその原因について考えるのであった。
「これってまさか」
「そうかもね」
 美奈子が華奈子に答える。
「この雰囲気は」
「けれどさ」
 赤音は自分の悪寒を必死に否定しながら言うのであった。
「宇宙空間に隔離されたんじゃなかったっけ、あの人」
「そうだったよね」
 美樹もその言葉に頷く。
「確かね」
「じゃあ普通は安全なのじゃないかしら」
 春奈の言葉はあくまで常識に沿ったものである。
「どうやっても帰られないわよ」
「普通はそうよね」
 梨花も今回ばかりはそう考えたかった。
「あの博士でも」
「あたしだってそう思いたいわ」
 華奈子もまた自分の悪寒を必死に否定していた。
「あんな滅茶苦茶な博士がまた戻って来るなんて」
「けれどこの悪寒は」
 美奈子はそれを否定できなかった。
「間違いないかも」
「否定したいなあ」
 華奈子の言葉は六人の本音であった。
「またあの博士が戻って来るなんてさ」
「今度は何をしてくるのかしら」
「だから普通は戻って来ないわよ」
 華奈子は双子の相方の言葉を必死に否定するのだった。
「宇宙空間よ、やっぱりそれはないわよ」
「あの博士でも、かしら」
 それでも美奈子は自分の疑念と戦っている。どうしてもそれを否定できないのだ。
「どうなのかしら」
「そうに決まってるわよ」
 華奈子は殆どムキになって否定する。
「絶対にね」
「だといいけれど」
「とにかく今日も終わりよ」
 華奈子はそう述べて話を強引に終わらせてきた。
「楽しかったけれどそれでもね」
「そうね」
 美奈子はその言葉には穏やかに頷いた。
「じゃあ帰りましょう」
「ええ」
 何はともあれ帰る六人であった。しかしその日の夕陽は嫌になる程赤いのであった。まるで赤い血のように。真っ赤に染まっていたのであった。


第五十五話   完


                   2007・10・24
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ