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鋼殻のレギオス IFの物語
二十話・前編
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乗じ体を動かし首を大きく逸らす。首狩り鎌の如く唸る足刀の狙いはズレ、レイフォンの顔のすぐ横を薙ぎ払う。
 微かに舞う髪の毛と同時にピリッとした痛みが一瞬頬に走る。どうやら掠ったらしい。タラリ、と血がレイフォンの頬を流れる。

 衝撃波の影響は相手も受けている。すぐさまレイフォンは未だ宙に浮いたままの相手の足に向け剣を振る。刃は脚甲に当たり足を弾く。姿勢を崩した相手の、今度は地に着いている左の足に向けて剣を止めずレイフォンは連撃を放つ。足払いどころか当たれば豆腐を裂くように足を切り落とすだろうその一撃をガハルドはギリギリで左の脚甲で受けその衝撃に吹き飛ばされる。
 レイフォンは空中のガハルドめがけ衝剄を放つ。それと同時に剣に剄を込め軽く振り払い剄の糸を切る。元々切ろうと思えばレイフォンにとってそこまで難しくはないものだ。糸が切り払われる。

 空中で衝剄をガードしたガハルドは僅かに姿勢を崩しながら両手両足で着地。持ち直すまもなくレイフォンは旋剄で迫る。
 不利だと悟ったのだろう。レイフォンの振るう刃にガハルドが下がろうとする。瞬間その両手両足に衝撃が走ったように崩れ落ち姿勢が乱れる。
 驚きの表情を浮かべるガハルドに向けレイフォンは逆袈裟に斬りかかる。
ガハルドはそれを右の手甲にて受け流そうとするが崩れた姿勢では完全ではない。レイフォンの刃が微かにその頬を切り裂き血が流れ落ちる。

 そのままガハルドは跳び下がり大きく距離を開ける。
 レイフォンはそれを追わない。首を鳴らす様に軽くガハルドに向け左右に小さく首を揺らす。それを見たガハルドの顔が微かに歪む。流石に何をされたか分かっている様だ。

 ルッケンス流・蛇流
 レイフォンは同じ技で返しただけだ。それも相手の両手両足に返すというおまけ付きで。
 自分の流派の技を自分と同じように、数を多く返され挑発。傷で血が流れたということも相まりいささかプライドが傷つけられたらしい。ガハルドの表情には怒りが浮かんでいるのが微かに分かる。
 ガハルドが流れる血を手のひらで拭い、それを払うと同時地を蹴る。
 怒りを押し殺したような表情のまま踏み込んでくるガハルドに対しレイフォンも地を蹴った。


 何度となく刃と拳が交差し絡み弾き合う。
 蛇流は確かに面倒な技だがされることが前もって分かっていれば対処の使用はある。使うにしてもある程度の距離や振りが必要であり、糸を付けられたことに気づけばそれが来る前に対処出来るだけの技量が互いにはある。故に双方ともに気をつけあう最中それをもう一度使うのは至極困難。
 ヒット&アウェイ。
 一進一退の攻防が絶え間なく続けられていく。
 互いの武器が交差するたびに大気が悲鳴を上げ風が唸り、観客の歓声が挙がる。



 武芸者という存在。民の
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