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対決!!天本博士対クラウン
第四百五十八話

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                  第四百五十八話  にわかには
 ライゾウは急にだ。タロにこんなことを言った。二人は今華奈子と美奈子の家にいる。
 その中にいてだ。こう話すのだった。
「あのよ、凄い話聞いたんだけれどよ」
「散歩の時に?」
「ああ、それでな」
 具体的にだ。どんな話かというとだ。
「今日子先生いるよな」
「あの先生に何かあったの?」
「今田先生の使い魔の中にも猫が何匹かいるだろ。その連中が先生達のお屋敷の屋根の上で話してたんだよ」
 今田先生も今日子先生も使い魔はかなり多い。それだけ魔力を持っているのだ。
 それでだ。その使い魔達がどうかというのだ。
「今日子先生に彼女ができたってな」
「彼女って。あの先生もまさか」
「みたいだな。百合なんだよ」
「そういえば今田先生と一緒にいるし」
「で、今度今日子先生その人とデートするんだってよ」
「嘘みたいな話だね」
 その話を聞いてだ。タロはというと。
 座ったまま首を左に傾げさせてだ。こうライゾウに返した。
「あの今日子先生がデートって」
「相手が女の人ってのはともかくな」
「うん、それも結構あれだけれど」
 同性愛だからだ。もっとも今田先生はそのことは全く気にしていない。先生もかなり大人物である。少なくともその器はかなりのものであるのは確かだ。
「とにかく。どうだよ旦那」
「どうだよって?」
「相手が誰か見てみたいよな」
 こうだ。ライゾウはタロに話すのだった。
「どんな人があの先生の相手なんだろうな」
「それ、確かに興味があるね」
「だろ?それじゃあ見に行くかい?」
「何か興味本位みたいだけれど」
「いいんだよ、猫だからな」
 猫はそれでもよかった。猫は好奇心旺盛な生き物だからだ。
 しかしタロは犬だからだ。こう言うのだった。
「それがちょっとって思うけれど」
「いいんだよ、犬でも好奇心があってもな」
「そこは犬でも猫でもなんだ」
「全然構わないんだよ。っていうか犬でもな」
「犬でもか」
「そうだよ。好奇心旺盛で構わないんだよ」
 ライゾウは明るい声でタロに話す。そう話してだった。
 タロを今日子先生のところに誘う。それで先生達の屋敷に向かおうとする。しかしだ。
 ここでだ。タロはライゾウにこう話した。
「ちょっとその前に」
「その前に?」
「うん、御主人達にお話しておく?」
 提案だった。そう言われてだった。
 ライゾウも考える顔になった。表情となって出ている。猫に表情があることがこれでわかる。タロもタロでだ。その尻尾の動きで感情を見せているのだった。


第四百五十八話   完


                      2012・1・18
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