第四百三十一話
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第四百三十一話 実際に撒布してみて
カイザージョーをそのならず者国家の上空に展開させた。早速だ。
「また来たか!」
「今度こそは!」
旧式の戦闘機が迎撃に来る。二十機はいる。しかしだ。
その彼等はカイザージョーのビームにより次々に撃墜されだ。真叩く間にだ。
カイザージョーはならず者国家の首都の上空まで来てだ。そのうえで。
農薬を撒布した。すると瞬く間に。
僅かに残っていた、首都にまで何とか栽培させていた農作物が壊滅していき雑草達が動き出しそのうえでだった。その雑草達が。
首都で暴れ回る。その有様は。
「怪獣映画ですね」
「うむ、そうじゃな」
博士は小田切君の言葉に応える。その破壊の映像をテレビで観ながらだ。礼によって博士の悪事がテレビで実況されているのだ。
その有様をワインを飲みつつ観ながらだ。博士は言う。
「よいことじゃ」
「植物に人間がどんどん殺されてますけれど」
そしてビルが破壊されていく。文句なしの虐殺だ。
だがその虐殺をだ。博士は平然として観て言うのである。
「それが狙いじゃ」
「だからいいんですか」
「うむ、よい」
本当に何も思ってはいない。
「遊星からの物体やトリフィドみたいになっておるな」
「そのままの植物達ばかりですね」
「ランダムで異常発育するようにしておいた」
その農薬を浴びるとだ。そうなるようにだというのだ。
「それも成功したな」
「向こうの自慢の軍隊が迎撃に来ましたけれど」
「あの連中なぞ何ともない」
あの馬鹿げた行進で有名な百万の大軍もだというのだ。
「ここで百万から十万にまで減らしてやろうぞ」
「全体の九割をですか」
「消毒じゃな」
人権なぞ最初から考慮していない者の言葉だ。
「そうしてやろうぞ」
「九十万も殺すって」
「あの国の独裁者の親子はもっと殺しておるぞ」
「だからどうでもいいんですか」
「わしは気に入らん者しか消さん」
殺さないというのだ。
「だからよいのじゃ」
「殺人は殺人なんじゃ」
「殺人?それは悪いことなのかのう」
博士にそうしたモラルはない。
「わしにとって悪とはじゃ」
「何なんですか、博士にとっての悪って」
「わしの偉大な発明や研究を邪魔する奴じゃ」
こう言ってだ。ならず者国家で行われている大量殺人をワインを楽しみながら観るのだった。画面では人が次々と八つ裂きにされ生きたまま食われ溶かされていた。
第四百三十一話 完
2011・10・16
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