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対決!!天本博士対クラウン
第四百二十五話

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                第四百二十五話  大きいと
 梨花は妹の利奈に尋ねていた。
「ねえ。利奈は胸は大きい方がいいかしら。それとも小さい方がいいかしら」
「胸?」
「そう、胸」
 このことを自分の妹に尋ねたのである。
「どちらがいいの?」
「どっちでもいいんじゃないの?」
 利奈は素っ気無くだ。姉にこう答えた。そしてすぐにこんなことを言った。
「だって。大事なのはね」
「大事なのは?」
「形だと思うから」
 それが大事ではないかというのだ。
「だからね。大きさの問題じゃなくて」
「形なの?」
「そうじゃないかしら」
 利奈は考える、幼いながらもそうした顔で姉に話す。
「大きくてもほら、形が悪かったらね」
「確かに。それじゃあちょっと」
「よくないと思うわ。逆にね」
 大きい場合を逆転させる、そうなればどうなるかだった。
「小さくても形がよかったらいいじゃない」
「そうね。確かに」
「だから。私は形だって思うわ」
「成程ね。大きさよりもね」
「例えばお姉ちゃんのおっぱいって」
 利奈はその梨花の話もする。
「奇麗じゃない」
「そう?私はそうは思わないけれど」
「奇麗だと思うわ」
 利奈は実際に姉の胸を見ていた。服の上からなので形はわからない筈だがそれでもだ。姉の胸を見ながらこう言ったのである。
「御風呂でいつも見てるけれど」
「ああ、御風呂でなのね」
「うん、奇麗だからこのまま大きくなったらね」
「いいかしら」
「大きくても小さくてもいいおっぱいになるわよ」
 最初の大きく、というのは身体全体での成長という意味だった。その後の大きくとも小さくとも、というのが胸の話であったのだ。
「そう思うわ」
「だったらいいけれどね」
 梨花も妹の言葉に返した。
「形がよかったらね」
「それは自信を持っていいと思うわ」
 妹は姉の胸に太鼓判を押した。
「お姉ちゃんの胸は本当に形がいいから」
「ううん、一つわかったわ」
 妹の話からだ。
「大きさや小ささだけじゃないのね」
「そう思うけれど、私は」
 やはり利奈はこう言うのだった。梨花がはじめて知った考えであった。胸は形だと。


第四百二十五話   完


                2011・9・28
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