SAO編−白百合の刃−
プロローグ
[2/3]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
リアルダイブにとっては致命傷なもの。
――ログアウトが出来ないのだ。
最初は戸惑いつつも、嘘だと思った。
少しずつ冷静さを取り戻し、バグだと思って直るのを信じるしかなかった。
でなければ、私達はゲームの中に閉じ込められたと言うことになってしまう。
だが、これは悪い夢ではなかった……。
いや、悪い夢であって欲しかった。
ナーヴギアの基礎設計者にしてソードアート・オンラインの開発ディレクター。
そして私達ゲーマーで知られている天才的ゲームデザイナーでもある『茅場晶彦』のチュートリアルにより、絶望の現実、恐怖のMMOの幕開けとなった。
彼のチュートリアルはログアウトができなくなり、アインクラッドの最上部第百層のボスまたは“隠れボス”を倒してゲームをクリアすることだけがこの世界から脱出する唯一の方法。
それ以外の方法なんてない。
そして、このゲームで死亡したり、現実世界でナーヴギアを強制的に外したりすれば、ナーヴギアから高出力マイクロ波を発せられ、脳を破壊されることになる。
最初は嘘だと言い張り、脅しだろと言う声が多数を示す。
だけど、こんなバカ気たこと……全プレイヤーに嘘ついて、からかいたいのか?
嘘だったら笑い話で済まされるでしょうね……。
だからこそだ。
これはゲームで遊びではない。
茅場晶彦のチュートリアルは本当だと確信した。
いつもの日常を取り戻すため、理不尽にもう一つの現実を与えられた私達プレイヤーは、この世界でどう生き、どう暮らしいくかはそれぞれ違う。
茅場晶彦なんかに負けない。
生き延びて、帰って、現実世界へ戻ってやるから!
●
勢い良く急降下して襲いかかる、大型の鴉のような全身真っ黒な、『ブラック・ホーク』の攻撃をしゃがんでよけつつ、『スキル』と言う必殺技みたいなものを使ってモンスターを倒した。
「すぅ……」
とりあえず、他のモンスターが襲いかからないか回りを見て、息を整えて姿勢を正した。
「そろそろ限界かな………」
誰が聞いているわけではないけど、ぽつりと呟いた。
デスゲームから二年が経過、現在の最前線は第七十四層。残り二十六層。生存者は六千人。
半分は超えたとはいえ、危険度は格段に上がってきている。先ほどのモンスターは一体ながらも時間をかけてようやく倒したところだ。
集団だったら、ちょっとヤバかったかもしれない。
そろそろ、ソロプレイヤーとして限界が近づいているのを悟った私は、とりあえず一日分の攻略を終えたと共に、七十四層の主街区へと歩き出した。
七十四層迷宮区は役八割が攻略されているから、もうすぐにボスの待つ大広間が発見されるだろう。
できれば、それまでに誰かと組むかギルドに入らないと…
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ