第四百八話
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第四百八話 狼の様な
太っているライゾウに対してだ。タロは。
華奈子はこちらについてはだ。こう言うのだった。
「タロはいいのよ」
「いいのですか?僕は」
「そう。引き締まった身体していてね」
だからいいとだ。本犬に対して言う。
「犬らしくていいわ」
「実際に犬ですし」
「犬というよりは狼かしら」
話がグレードアップした。犬から狼に。
「そんな感じでいいわよ」
「狼とはまた」
「だから。スタイルいいから」
タロは甲斐犬である。甲斐犬は大きさこそ小さいのだがその外見は極めて狼に似ているのだ。そうした意味では秋田犬と同じである。
「格好いいわよ」
「有り難うございます」
「御礼はいいのよ。だって事実だから」
それでだとだ。華奈子はタロに話す。
そのうえでだ。彼にこんなことも言った。
「けれど。タロは随分食べてるけれど」
「それでもこのスタイルは何故かというのですね」
「やっぱりあれよね。いつも動いてるから」
タロは運動好きだ。特に散歩が趣味である。
「そのせいよね」
「多分。そうですね」
「散歩なんか一日二回だし」
その他にもだ。華奈子に付き合って色々動いている。それならだった。
「そのスタイルなのも当然よね」
「やはり動けばですね」
「そうよ。痩せるのよ」
もっと言えばスタイルを維持できるのだった。
「犬でもね」
「大切なのはスポーツですね」
「タロは実戦派で」
今度はこんなことを言う華奈子だった。
「そのせいね。けれど考えてもくれるし」
それも華奈子にとっては有り難かった。
「助かるわね」
「いえ、やはりそこまで言われますと」
「いいのよ、事実なんだし」
恥ずかしがるタロにまたこう返す華奈子だった。
「これからも頼りにしてるわよ」
「はい」
「ライゾウと一緒に」
そしてだ。華奈子は彼の名前も出したのだった。
「二匹でね。これからも御願いね」
「わかりました」
ライゾウの名前が出るとだ。タロの尻尾が大きく動いたのだった。それを左右にぱたぱたとさせてだ。そうして動かしていたのである。
第四百八話 完
2011・4・24
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