第三百七十二話
[8]前話 [2]次話
第三百七十二話 まずは二人で
赤音はだ。春奈に対してだ。こう言うのだった。
「あのね、まずはね」
「まずは?」
「二人でやってみない?」
これがだ。赤音の春奈への提案だった。
「試しにね。二人でやってみない?」
「試しになの」
「そう。私と春奈でね」
その二人でだというのだ。こう話してだった。
あらためてだ。赤音は春奈にこんなことも話した。
「それで早速だけれど」
「早速?どうするの?」
「やってみよう」
そうしてはどうかというのである。動く時はすぐに赤音だった。
さらにだ。赤音は春奈にこうも話した。
「体操吹くもあるし」
「体操服って」
「だから。体操着と半ズボンによ」
彼女達の学校の体操服である。半ズボンは黒である。彼女達の学校はスパッツではない。そしてブルマーというものは知らないのだ。
「それに着替えて実際にやってみよう」
「えっ、着替えるの」
「うん、身体も動かすのよね」
「あまり動かさないんじゃ」
「あっ、そうかな」
ここに二人の魔法スタイルの違いがあった。
赤音はかなり動くのだ。クラウンではドラムだがそこでもなのだ。彼女はとにかく激しく動いて魔法を繰り出すスタイルなのである。
それに対してである。春奈はだ。
あまり動かない。クラウンのキーボードの時もだ。あまり動かず冷静にだ。魔法を使っていくのである。赤音とはまさに正反対だ。
それでだ。そうしたことを踏まえて春奈は言うのだった。
「体操服じゃなくてね」
「法衣がいいかしら」
「それがいいと思うけれど」
そちらだというのだ。そしてである。
二人は結局だ。それにするのだった。
「どうかしら」
「そうね。私達魔女だし」
赤音の考えもそこに至った。そうなればだ。
彼女はだ。春奈に対してこう述べたのだった。
「わかったわ。それじゃあね」
「それでいいわね」
「ええ、法衣でね」
「やってみましょう。二人で」
こう話し合ってだ。そのうえで、だった。
二人は放課後。春奈の家の庭でだ。それぞれの法衣に着替えて。
呼吸を合わせてだ。魔法を出し合ったのだった。
その日は夕方の遅くまでお互いの魔法を合わせてみた。その中でだ。二人共少しであるが共に同じものを見ることができたのだった。
第三百七十二話 完
2011・3・23
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ