第三百四十六話
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第三百四十六話 休日でも
今は昼食にイカ墨のスパゲティとマカロニグラタン、それに赤ワインを楽しむ小田切君だった。ライゾウはキャットフード、タロはドッグフードをそれぞれ食べている。彼等はこの日は昼食を一緒に食べているのだ。
その彼等の後ろで、だった。
柄の悪い少年が数人だ。如何にも人を殺しそうな感じの邪悪なオーラに満ちているロボットにそれぞれの腕を捕まれて研究所の奥に連行されていた。
「ざけんな、こら」
「俺達をどうするつもりだ」
「おい、答えろよ」
「生体実験」
ロボットはこう彼等に答える。機械そのものの声で。
「御前達コレカラ博士ノ実験ニ使ワレル」
「何っ、生体実験ってどういうことだよ」
「俺達が何をしたってんだよ」
「答えろよこのロボット野郎」
「博士ガ御前達嫌イダカラ」
これが理由だというのだ。
「ダカラ御前達死ヌ。諦メロ」
「だからざけんな、こら」
「何が死ぬだよ、何が」
「だから何処に行くんだよ」
彼等はそのまま研究所の奥に連れて行かれる。そうしてであった。
断末魔の声が聞こえてきてだ。暫くしてだ。
博士がだ。出て来て小田切君を見て言うのだった。
「何じゃ、来ておるのか」
「ええ、お昼頂いてます」
落ち着いた様子でワインを飲みながらの返答だった。
「パスタですけれど」
「コックロボットに作ってもらったものじゃな」
「はい、かなり美味しいですねこれって」
「そうじゃろ。ではわしもじゃ」
「お昼ですか」
「スパゲティを貰おうか」
小田切君が食べているそれを見ての言葉だった。
「それではな」
「そうするんですか。ところで博士」
「んっ、何じゃ?」
「さっきは何してらしたんですか?」
「うむ、ロボットに沖縄まで行ってもらってそこの不良を何人か連れて来てじゃ」
博士は日本中の暴力団員や暴走族や街の不良を拉致しているのである。言うまでもなくこれもまた法的には明らかな犯罪行為である。
「それでじゃ。西洋であったという腹の上に鼠達を置いてじゃ」
「鼠をですか」
「そこで蓋をしてその蓋の上から火を焚く」
そうしたというのである。
「それで実際に鼠がその暑さから腹を食い破るかどうかを実験してみたのじゃがな」
「どうなったんですか?その実験」
「うむ、無事食い破った」
そしてどうなるかであった。問題は。
「不良少年は全員あまりもの激痛に苦しみ抜き絶叫しながら悶え死んだわ」
「そうなったんですか」
「うむ。死体は今度暴力団の事務所に放つ怪獣の餌にしておいた」
今度は怪獣であった。
「それだけじゃ。やったのはな」
「そうなんですか」
「午後は名古屋まで行ってその怪獣を使って暴れて来るわ」
「休日ですけれど
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