第三百四十四話
[8]前話 [2]次話
第三百四十四話 ギター弾く手
梨花はギターを奏でる。そうしてだった。
石をだ。とりあえずは一割浮かばせるのだった。
「まずはこれだけね」
「はい、それでいいかと」
「最初はその数で」
「そうね。これが全部だとね」
どうかとだ。梨花は石達を自分の前に持って来ながら話す。石達のその動きはさながら流星の如きだった。そうしたものだった。
そしてだった。彼等はまた話すのだった。
「まずは大丈夫でしょうか」
「一割程の数で」
「そうね。これ位は全然何ともないわ」
実際にそうだと述べる梨花だった。ギターを動かす手も順調だ。
そうして立った。使い魔達はまた話してきた。
「では今度はです」
「石の数を増やされてはどうでしょうか」
「どれ位がいいかしら」
梨花は使い魔達に対して問う。彼等は完全に参謀であった。
その参謀達もだ。的確かつ真面目にこう答えたのであった。
「二割がいいかと」
「それでどうでしょうか」
「そうね。一割ずつ増やしていったらいいわね」
梨花もそれを言う。
「慣れればそうしていってね」
「では。梨花様それでは
「これでは」
こうしてであった。梨花は石の数を増やす。そうして順調に進めるのだった。
そんな練習をしてだ。夕方になり家に帰る。自分の部屋では。
机に座ってノートを開いてだ。それぞれ左右に来ている使い魔達の話を聞いた。
「とりあえず三割までいけたわね」
「はい、まずはですね」
「三割程でしたね」
「それでいいかしら」
梨花は首を傾げる。ノートは開かれその手にはボールペンがある。
「今日のところは」
「はじめられたばかりですしそれでいいのでは」
「そう思いますが」
「そうね。今日はじめたばかりだしね」
梨花も彼等のその言葉に頷いた。そしてであった。
ノートにあれこれ書いていく。見ればそれは楽譜だった。それを書きながら言うのだった。
「この曲に合わせて動かしていってね」
「そうして。やがては石に様々な色を飾って」
「舞台を飾りますね」
「石じゃなくても他の軽いものでもいいしね」
それを考えてのことなのだった。彼女は実によく考えているのだった。魔法のこと、音楽のこと、ひいてはクラウンのことをである。
「それじゃあ後は」
「はい、学校の勉強もですね」
「それも」
そちらも忘れない。彼女もそうしたところはしっかりとしているのだった。クラウンでのしっかりとした面々、しかもリーダーだけはあるのであった。
第三百四十四話 完
2010・12・15
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ