第三百三十九話
[8]前話 [2]次話
第三百三十九話 赤音の勉強
赤音は今は自分の部屋の中で勉強していた。その彼女に対して使い魔であるジップとハリが傍に来て声をかけてきたのであった。
「そうそう、頑張ってね」
「学校の勉強もね」
「うん、けれどね」
ここでこう言う赤音だった。困ったような顔でだ。
「ちょっとねえ」
「ちょっとって?」
「何かあるの?」
「私この科目苦手なのよ」
こう彼等に話すのだった。
「理科はね」
「まあそれでもね」
「苦手科目もしっかりしないと」
使い魔達は正論を述べた。まさにその通りだった。教科書通りですらある。
「だから。今のその理科もね」
「しっかりとね」
「誰かとくいな娘いなかったかしら」
今度はこんなことを言う赤音だった。
「本当に誰か」
「いたっけ」
「理科ね」
だが使い魔達は今一つはっきりしない言葉で答えたのだった。
「どの教科もそれぞれ得意な人はいたけれど」
「理科は」
それはどうかというのだった。
「ちょっと。ねえ」
「いなかったみたいな」
ここでこのことに気付いたのだった。そうしてだった。
勉強を続ける赤音にだ。こう話した。
「まあそれでもね」
「自分でしないとね」
「そうそう、大切なのは努力だからね」
「結局はそうなるのね」
それを聞いてだった。赤音も頷く。そうしてだった。
「それじゃあね」
「うん、じゃあね」
「自分でしよう、ここはね」
「勉強って結局あれなのね」
赤音はその理科の教科書を読みながら言うのだった。
「自分で勉強しないと駄目なのね」
「だって。やる気が出てそれでやるものだから」
「その辺りはね」
そしてであった。ジップとハリーはこう彼女に話したのだった。
「魔法と同じだよ」
「本人のやる気が第一なのはね」
「そういうことなのね、魔法となのね」
「そういうこと」
「だから苦手でも頑張ろう」
こうしてだった。赤音はその理科を勉強し続ける。おっちょこちょいでもそれでもやることはやる彼女だった。
第三百三十九話 完
2010・11・29
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ