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対決!!天本博士対クラウン
第二百七十七話

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                第二百七十七話  魔法は完成し
 華奈子と美奈子は魔術の修業を続け。そうして遂にであった。
「やったね、美奈子」
「ええ、華奈子」
 二人は顔を見合わせて言い合う。
 その顔は笑顔だ。そのうえでのやり取りだった。
「これで遂にね」
「魔法は完成ね」
「やっぱりあれよね」
 華奈子は言うのだった。
「二人でやると全然違うわよね」
「そうよね。実際に相手がいるだけでなく」
 美奈子はそれだけではないというのだ。
「私達ってやっぱりね」
「息が合うわよね」
「そう、それよ」
 まさにそれだと頷く美奈子だった。
「双子だからね。それが大きいわよね」
「それでだけれど」
 ここで華奈子はまた言ってきた。
「あたし何となく美奈子の考えてることがわかったのよ」
「えっ、華奈子もなの」
 美奈子は華奈子の言葉に驚いた顔で返した。
「実は私も」
「美奈子もなの」
「そうなの。華奈子の考えていることがわかるわ」
 こういうのである。
「本当にね」
「そうよね。それでだけれど」
「そうね。魔法は完成したし」
「ええ」
 それだけではなかった。さらにあるのだった。
「後は音楽よね」
「それだけれど」
 美奈子も華奈子の言葉に頷いてだ。今度は笛を出した。美奈子はフルートであり華奈子はサックスである。それぞれ出してきたのである。
「いいわよね、こっちも」
「勿論よ」
 既に出しているサックスが何よりの返答だった。
「それじゃあね」
「ええ、それじゃあ」
「あたし達って魔法だけじゃないから」
 既にそうではなくなっていた。それは二人だけではなかったが二人にとってはとりわけそうであった。やはりここでも双子であることが大きかった。
「音楽もね」
「そうよ。だからね」
「美奈子、もう掴んでるわよね」
 華奈子は微笑んで美奈子に問うた。
「音楽は」
「わかるわよね、それも」
「わかるわ。あと一歩だから」
「御願いするわ」
 こうしてだった。二人は今度は音楽にかかった。それももう少しであった。


第二百七十七話   完


                 2010・4・6
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