第21話
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ない。
「ふぅ〜ん、それで?」
「え・・・・」
「それでお前は俺に何を求めているんだ?
俺に責められてほしいのか?
それとも助けてやる、とでも言えばいいのか?
お前は俺を正義の味方か何かと間違っていないか?」
そう言って麻生は振り返り歩いていく。
美琴は心のどこかで麻生なら助けてくれると思っていた。
なんだかんだ言いつつも虚空爆破事件、幻想御手の事件の時は助けてくれた。
だから一方通行に勝てなくても、一緒に実験を止めるのを手伝ってくれると思っていた。
だが、麻生の答えは美琴が思っていたのと全くの別だった。
「まって・・・・」
美琴は麻生を引き留める。
だが、麻生の足は止まらない。
「待ってよ・・・・お願いだから、私を・・・・あの子達を助けてあげて・・・・」
美琴の願いに麻生は答えない。
美琴はそのまま膝が崩れ落ちてしまい、麻生は一度も振り返る事なく施設から出て行った。
麻生がどこかへ行ってから美琴はとある鉄橋の上に立っていた。
「どうしてこんな事になっちゃったのかな。」
美琴はあの研究者の言葉を信じていた。
自分のDNAマップがあれば様々な病気を抱えている病人を助ける事が出来ると。
だがその願いが結果として二万人もの「妹達」もの人間を殺す事になった。
「私にできる、これ以上一人も犠牲者を出さない手段。
でも、それでも止まらなかったらもう・・・」
あの時、幻想御手の事件の犯人である木山は別れ際に言った言葉を思い出す。
「君も私と同じ限りなく絶望に近い運命を背負っているという事だ。」
その言葉の意味がようやく分かった。
美琴はうつむきながら呟いた。
「たすけてよ・・・・」
誰にも届かない叫びが美琴の口からこぼれていく
その時、ミャーという鳴き声を聞いて足元に優しいぬくもりを感じさせる黒い毛皮の子猫が座っていた。
一体どこから来たネコなのだろう?と思った時だった。
カツという足音が聞こえた、美琴は顔を上げる
「何やってんだよ、おまえ。」
美琴の叫びを聞いて駆け付けた主人公のように上条当麻がやってきた。
麻生は宇宙開発エリアから自分の寮に戻ってきていた。
そしてベットに寝転がり睡眠をとろうとした。
だが・・・・
(私を・・・・あの子達を助けてあげて・・・・)
その言葉が麻生の頭から離れなかった。
美琴は助けてと麻生に言った。
だが麻生はその救いに手を差し伸べなかった。
これが本当の自分なのだから、と自分に言い聞かせた。
なのに
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