第百九十五話
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第百九十五話 折角来たバイトも
「おう、ここかよ」
「何か面白そうじゃねえか?」
「っていうかバイト料すげえいいじゃねえか」
「なあ」
見るからに頭があれそうな暴走族や不良達が研究所の前に集まっていた。彼等はその研究所が一体どんな場所なのか全く知らなかった。
「これいけるぜ。一日いったらそれで風俗行けるしよ」
「シンナーやり放題だぜ」
「もうカツアゲとかする必要ねえぜ、遊んでいられるぜ」
こんなことを言って研究所に入り。そうして言うのだった。
「おう、バイト探してるんだって?」
「俺等でよくね?」
特攻服に如何にもといった感じの柄の悪い服装のまま研究所の中に入る。そうして三十分後研究室で何が起こったのかというと。
「お、おい離せよ!」
「何するつもりだ手前!」
「調子こいてっと殺すぞ!」
「丁度実験の素材が欲しかったところじゃ」
彼等は研究所の実験用ベッドの上に拘束されていた。両手両足を動けなくさせられてそのすぐ側に博士が怪しげな手術道具を持っていた。
「わしも運がいいのう」
「はぁ!?バイトじゃねえのかよ」
「手前嘘ついてんのかよ、嘘よ」
「バイト!?わしは人を選ぶ」
博士はバイトにも一応人を選ぶのである。
「じゃが御前等のような連中はじゃ」
「何だってんだよ」
「雇わないってんのなら帰せよ」
「ふざけてんじゃねえぞ」
「ふざけてはおらん」
彼等に対して相変わらず平気な顔で返す。
「バイト君も探しておったが実験材料も探しておったのじゃよ」
「実験って何なんだよ」
「食い物かよ」
どうやら実験という言葉も本当に知らないらしい。
「手前の言葉意味わかんねんだよ」
「何言ってんだよ」
「わからなくともよい」
博士はそんなことは全く気にしてはいなかった。
「さて、それではこれから」
その右手にメスを持つのだった。
「実験を開始するとするか」
「おいこら、だから実験って何なんだよ!」
「放せってんだよ手前!」
「何様のつもりだよ!」
彼等の叫びはそのまま響くだけだった。博士のメスが煌きまずはそれぞれの首が切断され。それから恐ろしい実験がはじまったのだった。
「またあの研究所からか」
「新たな犠牲者が」
また街から暴走族や不良が姿を消した。最早これは日本の風物詩となっていた。博士は実験材料やそうしたことに彼等を使うのである。
第百九十五話 完
2009・5・25
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