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対決!!天本博士対クラウン
第百八十五話

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第百八十五話  召喚した二匹が
 梨花が召喚したのは彼女の使い魔達であった。ピエールとジュリエッタである。
「そういえばさ」
「何?」
「あの二匹泳げるのね」
 華奈子は梨花に尋ねるのだった。
「今気付いたけれど」
「ええそうだけれど」
 何でもないといったように返答する梨花だった。
「それ言わなかったかしら、前に」
「言ってないわよ」
 華奈子は速攻で言い返した。
「そんなの今知ったし」
「そうだったの。言わなかったの」
「そうよ、言わなかったわ」
 また言う華奈子だった。
「初耳だけれど。けれどね」
「泳げるのが不思議なのね」
「蛇はわかるわ。泳ぐの見たことがあるから」
 ジュリエッタを見つつ述べる。
「けれどね。それでもよ」
「ピエールはってことよね」
「トカゲも泳げるのね」
 華奈子は感心したように言う。やはりまだ二匹を見ながら。
「今はじめて知ったわ」
「ええ、トカゲも泳げるのよ」
 梨花はここで笑顔になった。
「特にうちのピエールは泳ぎ上手よ」
「そうだったの。泳げるのね」
「意外でしょ。中には水の上を歩くトカゲもいるし」
 この話もする梨花だった。
「トカゲも泳げたりするのよ」
「で、そのピエールとジュリエッタが泳いで調べに行くのね」
「そういうこと。私の魔法って土じゃない」
 このことは最早言わずと知れたものであった。
「土はね。お水だと使いにくかったりするから」
「だから召喚したってわけね」
「そういうことなの。考えたんだけれど」
 こう述べる梨花だった。
「さて、誰かしら」
「そうね。問題はそれね」
 華奈子も今の梨花の言葉にはしっかりとした声で頷く。
「誰なのかしらね」
「残るは美樹ちゃんと春奈ちゃんだけれど」
 赤音もここで考える顔になった。
「さて、どちらかしら」
「ううん、どちらかしらね」
 美奈子も今度ばかりはどちらなのかわかりかねていた。それで首を傾げる程だった。
「本当にね。どちらかしらね」
「それが問題ね」
 残るは二人、そのどちらかなのは間違いなかった。しかしどちらなのかわからずそれで首を捻る一同であった。


第百八十五話   完


                    2009・4・20
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