第百八十四話
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第百八十四話 お池に来てみると
かくして四人はそのお池に入った。そこはまたかなりの広さだった。とりあえず美奈子はまたオカリナを吹いてその音の反射を受け取ってから大きさについて述べるのだった。
「百メートルはあるわね」
「百メートルね」
「ええ。百メートル四方」
こう三人に述べるのだった。
「それだけの広さはあるわ」
「凄いわね」
華奈子はその広さを素直に賞賛したのだった。
「そんなに広いの、このお池」
「ええ。ただでさえ広いこのプールの中でも特にね」
「そしてこの中にいるってことよね」
赤音は自分が出している光に照らされている範囲だけを見て述べた。
「もう一人が」
「さて、誰かしら」
梨花は誰がいるのかを考えていた。
「美樹ちゃんかしら。それとも春奈ちゃんかしら」
「そうね。出たり消えたりって」
華奈子はそれが何のことかまだわからなかった。
「誰かしら。二人共泳げないわけじゃないし」
「どっちも泳ぐの上手よね」
「ええ、そうよ」
梨花は赤音の問いに答えた。
「どっちもね。タイプは違うけれどね」
「美樹ちゃんは運動神経いいし春奈ちゃんは水の魔女なんだしね」
だから二人にとっては泳ぐことは何でもないのだった。だからこそここにいるのは誰か、そして何故出たり消えたりしているのかがわからないのだった。
「それで美奈子」
「ええ」
それでもとりあえず場所を探っている美奈子に対して問う華奈子だった。
「何処にいるの?今」
「その娘よね」
「そうよ。何処で出たり消えたりしてるの?」
「そこよ」
こう言って右を指差すのだった。
「そこにいるわ」
「ふうん、そこね」
「あっ、華奈子ちゃん」
ここで梨花が出て来た。
「そこだったらね。私に任せて」
「梨花ちゃんに?」
「そうよ。この魔法でね」
言いながらステッキを出してきた。魔女のそのステッキをだ。
「探してみるわ」
「お水の中で土?」
「どうやってなの?」
「それはね」
楽しそうに笑いながらそのステッキを振りだした。すると。
そこから彼女の使い魔のトカゲのピエールとヘビのジュリエッタが出て来た。そうして水の上を泳ぎながらそこに向かうのだった。
「杖で二匹を呼んだのよ、実家からね」
「召喚の魔法覚えたのね」
「そういうこと。これもかなり便利よ」
にこにこと笑って三人に答えるのだった。今度は梨花の魔法が見せるのだった。
第百八十四話 完
2009・4・13
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