第百三十三話
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第百三十三話 青い炎
他の四人も来て魔法の勉強になった。早速華奈子が火の魔法を使う。
「行くわよ!」
「ええ」
華奈子は皆の声を聞いてから魔法を使う。それは複数の炎を放った派手なものだった。それはやはり今までとは全く違っていた。
「やっぱりね」
美奈子はその魔法を見て言う。
「華奈子、腕をあげてるわね」
「これ初歩の初歩だけれど」
「その初歩だからよ」
美奈子が言うのはそこだった。
「基本が一番大事じゃない」
「そう言うけれどね」
「だからそれよ」
美奈子はまたそこを指摘するのだった。
「華奈子の腕があがってるのよ、それもかなりね」
「だから自覚ないけれど」
「自分では案外わからないものよ」
「そうかしら」
やはり首を傾げる華奈子だった。
「あたし、前からこんなのだったけれど?」
「前は一つだったじゃない」
美奈子が言うのは炎の数だった。
「それが幾つも。しかも炎の大きさも温度もあがってるわね」
「かなあ」
細かく指摘されてもやはり華奈子は自覚できず首を傾げるばかりだった。
「色だって変わってないし」
「ちょっと気合入れて出してみて」
「ええ」
ここで美奈子に言われるままに炎を出してみる。するとそれは。
「あれっ!?」
華奈子は自分の炎を見ていきなり驚きの声をあげた。
「青いわよね」
「ほら、青い炎だって出せるじゃない」
「そういえば確かに」
「赤い炎と青い炎どっちが熱いかは知ってるわよね」
「それはね」
それはわかっている華奈子であった。伊達に火の魔法を得意としているわけではないのだ。とにかく学校の勉強以外のことはよくできる華奈子なのだ。
「青に決まってるわ」
「じゃあわかるわね」
「ええ。青い炎も出せるようになったのね」
「これが一番はっきり出ているところよ」
また言う美奈子だった。
「その青い炎がね」
「これなの」
「華奈子だけじゃないし」
美奈子はさらに言う。
「皆もね」
「皆も?」
「ええ」
美奈子の話は続くのだった。彼女は今度は四人にも話していった。
第百三十三話 完
2008・9・22
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