第百三十一話
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第百三十一話 到着してみて
先生のお家に到着すると華奈子と美奈子が最初だった。まだ他の皆は来ていない。
「あたし達が最初みたいね」
「ええ、そうね」
美奈子は華奈子のその言葉に対して答えて頷いた。
「私達が最初ね」
「あたし結構遅れること多かったけれど最近は何か」
「だからまずは寄り道しなくなったこと」
美奈子はまたこのことを華奈子に告げた。
「それが大きいわね」
「やっぱりそれなの?」
「ええ、それにね」
美奈子はさらに華奈子に話す。今度は寄り道とは違うことをだった。
「華奈子の魔力があがってるのよ」
「あたしの魔力が?」
「そうよ、それもかなりね」
美奈子が言うのはそれだったのである。
「あがってるわよ」
「そんなになの?」
「やっぱりあれね」
美奈子は冷静に華奈子の顔を見つつ述べた。
「これまで色々とあったわよね」
「そうね。紫の魔女とか」
ちらりと華奈子を見る。彼女が紫の魔女の正体だということはもうわかっていたのだ。
「その時にも色々あったしね」
「あの時だってかなりあがっていっていたけれどね」
「そうなの」
「そうよ。けれどそれ以上に」
美奈子はさらに言う。
「博士との戦いでの経験が大きいわよね」
「バンドでチームワークができてきたことはまた別なのね」
「あれもよかったわ」
それも認める美奈子だった。
「魔力が互いに反響し合ってね」
「それもあったの」
「ええ。けれどやっぱり」
博士との戦いが大きいのだと。美奈子は主張する。
「博士を何とかする為に頑張ってるじゃない」
「それは皆がじゃないの?」
「確かにね。けれど」
美奈子はあらためて華奈子の顔を見詰める。自分と同じ顔で髪の毛の色だけが違う双子の妹を。顔は同じだが個性は全く違っているのは生まれた頃からだ。
「華奈子が一番伸びたわよ」
「何度言われても自覚ないけれどね」
「自覚はないけれど確かよ」
足元のタミーノとフィガロをあやしながら述べるのだった。
「魔力があがったのはね」
「ううん、修行もあったからかしら」
「勿論」
やはりこれもあるのだった。
「それもね。あるわ」
「そうなのかしら」
「それにね」
美奈子は話を続ける。華奈子は今はその話を彼女には珍しくじっと聞くのだった。
第百三十一話 完
2008・9・16
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