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対決!!天本博士対クラウン
第百二十九話

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第百二十九話  言葉遣い
 華奈子と美奈子は学校が終わるとすぐに家に戻った。そうして魔法で魔女の法衣にすぐに着替え終えた。華奈子は赤、美奈子は紫のいつもの法衣に。
「さてと。あたし達はこれでいいわね」
「ええ。タミーノ、フィガロ」
「はい」
「何時でも行くことができます」
 まずは美奈子の二匹の使い魔が答える。続いて華奈子の使い魔達も。
「じゃあさ、御主人」
「行くよね」
「ええ。それにしてもねえ」
 華奈子はここで少し残念な顔になって二人を見るのだった。
「どうしてあんた達ってタミーノとフィガロみたいじゃないの?行儀がよくないっていうか」
「行儀って何だよ」
 特に行儀の悪いライゾウが華奈子に言葉を返す。
「そんなのどうだっていいじゃないか」
「僕は真面目にしてるつもりだけれど」
 タロはタロでこう反論する。
「別におかしくないよ」
「だから。タミーノとフィガロは違うじゃない」
 口を少し尖らせてまた二匹に反論する。
「言葉遣いだって丁寧だし。そういうふうにちょっとはねえ」
「いいじゃない、そんなの」
 やはりライゾウはいつものライゾウだった。悪びれるところもない。
「普通に上手くやってるんだしさ、おいら達」
「それはそうだけれどね」
「わかったらさ」
 すかさず華奈子に言う。
「先生のところに行こうぜ」
「そうだよ。こんなことを話していても何にもならないよ」
 タロもライゾウと一緒に華奈子に言うのだった。
「だからさ。早く先生のお家にね」
「口は上手くなったのね」
「使い魔は主に似るのよ」
 一段落ついたところで横から美奈子が華奈子に告げる。
「知らなかったの?」
「そういえばそうだったっけ」
 双子の姉に言われてこのことを思い出す華奈子だった。
「使い魔って」
「そうよ。親と子が似るのと一緒よ」
 また華奈子に言う。
「そこのところは。だから」
「タミーノとフィガロは美奈子に似てるのね」
「無意識から出るものもあるから」
 美奈子はこうも述べる。
「そうそう変えられるものではないわよ」
「あたしが変わるしかないの」
 美奈子の言葉を理解して眉を顰めさせる華奈子だった。
「すっごい苦労しそうね」
「自分を変えたいならね」
 美奈子の華奈子への言葉が続く。
「それは大変よ」
「ううん、どうしようかしら」
 今のところそこまでは考えてはいない華奈子だった。だが自分が気付かないうちに変わっていっている部分もまたあるのだった。


第百二十九話   完


                 2008・9・9
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