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真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双
彼の者は強者也
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早朝、森の中は気温が低いせいか霧が発生し視界は悪くなっていた。
そんな中でも生き物たちは動き回り、生死をかけた争いは起きている。



森の中、何かが引き絞られるような音が本当に小さな音だったがなっていた。
音の発信源に立っていたのは一人の青年、音のなっているものはどこか古く見えるが、美しく綺麗な弓の、弦だった。
    
    ヒュンッ

一陣の風の如く、矢が勢いよく飛び出し、その先にいた熊の脳天を捉えていた。
「今日はこのぐらいでいいか・・・・・・」
ったく、中学生で受験生だって言ってるのになんで俺に仕事を入れるんだか。
ここ最近熊が山の方から降りてきているって話は聞いていたけど、まさかここまで街に近いところにいるとは思ってもいなかったな。
さっき仕留めたので3匹目だった。
俺は未成年だから銃を持つことは出来ないが、弓は扱える。
で、腕もかなりいいということで、地域の猟友会に強制参加。
挙句の果てにはほかの大人たちよりもよく仕留めていたせいで仕事の大半は俺に回ってくる。
親も、ほかの家族もいない俺が学校に通えているのはこうやっているからって言ったって、逆に学校に通う日を減らされてしまえばあまり意味もないような気もする。
「とりあえず、いそいで家に帰って学校に向かいますかね」



彼の一日は早朝から山や森に出かけて狩りをして一日を過ごすか、早朝出かけるとそのあとに街に戻ってきて学校に行くかのどちらかだった。
今日は早くのうちから課せられたノルマをクリアすることができたので、学校に向かうことができた。
彼にとって、学校の授業は簡単に理解できたし、あまりやる必要もなかったが、それでも友人や後輩たちと触れ合うというものが楽しかったために学校が好きだった。
家族を持たぬが故に、人を恋しく思う。
それが彼だった。もちろん、気に入らないやつもいるが、それでこそ人間だと思う。異口同音という言葉もあるが、十人十色という言葉もある。それぞれが個性を持っているからこそ人間なのだ。これが彼の持論でもあったし、これまでの人生の中で感じていたことでもあった。

トスッ

学校の弓道場で引き絞られた弓は唸りを上げて矢を射出し、遠く離れた的の中央に突き刺さっていた矢を的確に穿つ。
「さすがですね先輩は」
「普段の生活でも弓は使うからなぁ・・・・」
「それでもですよ」
彼の横には快活そうなポニーテールの後輩が楽しそうな笑顔を浮かべたまま立っていた。
弓で的確に中央を穿ち続けるのはかなり難しく、高度な技術を求められる。
それをやり続ける青年の姿がかっこよく映るものであった。それに、彼の技術の高さは弓術だけではなかった。
「この前何か小太刀一本で剣道部全員対して無双してたじゃないですか」
「ナイフとか使い慣れて
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