嵐が通り過ぎて
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。
そして同時に、再び虚しくなった。
幼なじみとして、彼女が成長してくれたのは嬉しい。だけど執事として、彼女の成長を見れなかったのがどうしても悔しい。そう思ってしまう。
だから無意識にだろう、俺は簪を撫でていた。
「……祐人」
「あ……悪い」
「気にしないで」
そのまま、俺に抱きついてスヤスヤと寝息を立てた。
(そういえば、簪はよく俺と寝ていたっけ)
更識家では俺たちは異性ということもあって部屋を用意されていたのだが、俺の日頃の行いもあったか、簪はよく俺の隣で寝ていたのだ。曰く、「俺の隣だと安心して寝れる」とか。
(久しく、一緒に寝ていなかったっけ………)
思えば、俺はどこかに行くときでも誰かが隣に寝ていた。
だが今はそれはどうでもよく、仕方がないから簪も連れていくか。
(今日のことは許可しているし、別にいいか)
寝ている簪を背負って、俺は第三アリーナに向かった。
「………教えてやるよ、絶望に陥った人間の力を」
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