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木の葉芽吹きて大樹為す
青葉時代・終末の谷編<中編>
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いのは貴様の亡骸と木の葉の滅亡!! 憐憫も同情も、オレには必要ない!!」

 その幕を蹴飛ばす様にして、マダラが私の方へと飛び込んで来る。

「なのに何故だ!? 何故貴様はそんな目でオレを見る……!」
「もう止せ! 自分がどんな具合なのか……!」
「何故そのような目でしか見ない……!? 憐れんでいるとでも言うのか!? ふざけるな!!」
 
 頭の横を狙って蹴り出された一撃を左手の篭手でガードして、そのまま身を捻る。
 軽く大地を踏みしめ体を回転させる事で心臓を狙った太刀の一撃を鎧で受け流せば、相手が舌打ちを上げる。
 私の振るったクナイが相手の鎖鎌とかち合って、火花を飛ばす。
 相手の一撃が掠め、私の額がぱっくりと裂けた。

「貴様もオレを憎めばいい! 里に攻撃を仕掛け、今ここで貴様を殺そうとしている――オレを!!」
「マダ……!? ぐ……っ!」

 その赤い目には以前垣間見た様々な感情が宿っていて、それを見て鈍い痛みが胸を刺す。
 瞳を揺らした私を見てどう思ったのか、マダラが雄叫びを上げながら襲いかかって来る。

 ああ、本当にどうしてなのだろう。
 千手の頭領であった私とうちはの頭領であったマダラ。
 共に一族の頭として一族の将来を憂えて、胸に凝る物があったとはいえ一族のために――ひいては忍界の未来のために手を結んで。
 新設された木の葉隠れの里で一族と里の皆のために、誰よりも頼りになる仲間として共に支え合って生きていけると、方針こそ違えどそれでも求める先にある未来は同じであると……そう思っていたのに。

 始まりは一緒だった筈、なのに。
 どうして私達は、ここまで引き返せない所にまで道を違えてしまったのだろう。
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