暁 〜小説投稿サイト〜
久遠の神話
第三話 見てしまったものその三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「世の中って凄いよね」
「っていうか有り得ない?」
「普通の世界じゃ絶対に通用しないよな、そんな馬鹿」
「それで生徒を教えてるって」
「世の中怖いよね」
「世の中色々な人間がいる」
 そうだと。また話す先生だった。
「教師も色々だ」
「そうしたおかしな先生もいるんですね」
「つまりは」
「他の仕事でもだ」
 先生はまた話した。
「俺も剣道をしていてわかったことだがな」
「色々な仕事の人がそれぞれ剣道をしていてですか」
「それでわかったんですね」
「そうだ。わかった」
 それを通じてだというのだ。
「色々な仕事で色々な人間がいる」
「どの仕事でもとんでもない奴はいるんですね」
「剣道をしている人間でもですね」
「いるんですね」
「逆もあるがな」
 素晴しい人間もいるというのだ。中には。
「しかしそうした人間に出会えればだ」
「そうした時はどうすればいいんですか?」
「俺そんな人間に剣道教わりたくないですけれど」
「僕もですよ」
「そうだよな。そんな人間が教える立場だと何してくるか」
「それこそわからないから」
「そうした人間は避けろ」
 これが先生が彼等に言うことだった。
「近くにいれば碌なことにならない」
「だからですか」
「そうした人間ってわかればですか」
「もう逃げるべきなんですね」
「そんな奴からは」
「そんな人間に教えられても何にもならない」
 だからだともいうのだ。
「教えられることは碌なことじゃない」
「それか身体壊すか」
「そうしたことですよね」
「大体わかる。おかしな人間は」
 こうも話す先生だった。
「その行動でな」
「わかるんですか?そういうことも」
「おかしな人間だってことも」
「そうしたしてはいけないことをする」
 中学生に突きをしたり反則を取られる技を浴びせたり。あまりにも酷い罵倒や体罰をすることこそがだ。してはいけないことだというのだ。
「だからだ。それはだ」
「そうしたことからわかるんですか」
「暴力からですか」
「そういったことからわかる」
「そうなんですね」
「その通りだ。その行動がおかしな教師には教わるな」
 先生は彼等に強く言う。
「絶対にだ」
「わかりました。そうします」
「さもないと危ないですよね」
「碌でもない人間には教わらない」
「そういうことですね」
「その通りだ。まともな人間かどうか見極めてだ」
 それでだというのだ。
「その先生についた方がいい」
「あの、それじゃあですけれど」
「そういいますと」
 どうなるかとだ。上城達は顧問の先生に対して言った。
「先生もそう思われたらですよ」
「俺達部活辞めますけれど」
「そうなってもいいんですか?」
「その場合は」
「いい」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ