第六話 幼児期E
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るレベルだぞ。
それでも訴えられないのは、それだけ上層部のやつらが狡猾だからだ。この次元世界で警察の役割を果たしてくれているのは時空管理局だ。しかし管理局はミッドだけでなく、管理世界全域を護っている。原作でも家のテレビでも言っていたが、人材不足に尽きる。世界規模の警備を複数だ、当然と言えば当然か。
故に証拠もなく人材を動かせないのだ。さらに最悪なことに、一部の管理局の局員も通じている可能性が高い。
中央技術開発局は管理局にもいくらか関わりがある場所だ。だから今までに局員が何度か視察に訪れているはずなのだが、一向に改善される気配がない。開発局の上層部にとって都合が悪い情報を隠蔽し、管理局に報告しているとしか考えられない、と俺は思っている。
本当にやってらんない。まじめに働いている管理局員さんと開発チームのみんなにまじで謝れや。
と、思考がちょっと暴走ぎみになっていたので冷静になったほうがいいな。同僚さんみたいにいろんな意味で暴走したらまずいし。……不思議だ、同僚さん思い浮かべたらすげぇ冷静になれたよ。
うん、まずは俺に出来ることを一歩ずつやっていくしかないな。ちりも積もれば山となるでしょ。だからまずは、俺がすべきことをしていこう。
「だけど妹よ、夜更かしして待つのは駄目だぞ。母さんもっと心配かけさせちゃうからな」
「……はい」
ふむ…。
「アリシア」
「え、ふえっ。お、お兄ちゃん?」
俺の言葉に小さな返事を返した妹に、俺は手を伸ばす。俺の方に振り向いたアリシアの頭を、ポンポンと軽く叩いた。困惑した顔の妹に、俺は笑顔で紙と鉛筆をズイッと見せつけた。
「おかえりは言えないかもしれないけど、伝えることは出来るぞ」
「え?」
「2人で『おかえり』のお手紙を書こうぜ。母さんに勉強の成果を見てもらえるし、心配もかけさせないうえに、俺たちの気持ちを伝えられるだろ?」
「あ……、うん。うん!」
まさに一石三鳥。俺と紙を交互に見ていた妹は、俺の言葉の意味を理解し、何度もうなずく。その顔はさっきまでの気持ちを押しこめるようなものではなく、本当に嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
「せっかくなら絵も入れるか。アリシア、色鉛筆取って来てくれるか」
「わかった! お兄ちゃんは何を描くの?」
「えーと、似顔絵とかかな」
「あ、私もお母さんのにがおえ描きたい!」
「んー、じゃあそっちはアリシアにまかせるわ。俺はそのまわりに…大量のか○ぱらさんでも描いとくか」
「おぉー!」
うん、やっぱりアリシアは笑っている顔が一番だよな。
******
「そんな……待って下さい! これ以上スケジュールを切り詰めるだなんて!」
次元航行エネルギー駆動
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