第百五話 敵軍の歌姫、蒼き流星
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」
キラは俯き、暗い顔になりこう述べた。
「同じ?」
「はい、コーディネイターなんです、僕も」
「左様ですの。けれど貴方が優しいのは貴方だからではないのですか?」
「えっ!?」
キラはラクスのその言葉に顔を上げた。
「貴方だからではないのでしょうか。優しいのは」
「それは」
「御名前、教えて頂けますか?」
「キラ=ヤマトです」
彼は名乗った。
「キラですね」
「はい」
「わかりましたわ。それではまた」
「はい」
キラは部屋を去った。そして居住区に戻った。その頃食堂では少し騒ぎになっていた。
「コーディネイターの娘を保護したって!?」
フレイがラクスの話を聞いて驚きの声をあげていた。
「それ、本当なの!?」
「ああ、そうらしいぜ」
トールが彼女に答える。
「そんな、そんなのアークエンジェルに入れていいの!?」
彼女はコーディネイターに偏見を持っていた。そして今それを露わにしていた。
「遺伝子操作された人間なんて。一緒にいるのだけでも嫌だわ」
「けれどフレイ」
そんな彼女にサイが言う。
「キラもコーディネイターなんだぞ」
「えっ!?」
その言葉に思わず顔を上げる。
「それ、本当なの!?」
「ああ。けれど君のシャトルを救助したのもキラなんだ。キラは悪い奴じゃない」
「サイ・・・・・・」
「それは君もわかってると思うけれどね」
「・・・・・・・・・」
フレイはその言葉に俯いてしまった。確かにそれは感じていたからだ。
「そうね、キラは大丈夫よ」
ミリアリアも言った。
「キラは私達の友達だから」
「ああ、大丈夫だよ」
トールがそれに応える。だがその中でカズイは少し複雑な顔をしていた。
「けどなあ」
「どうしたんだ、カズイ」
「俺達はキラがコーディネイターってことに慣れちまってるけど。連邦軍の中にコーディネイターがいるっているのはな。やっぱり問題なのかもな」
「ロンド=ベルは少し違うみたいだけれどな」
サイがここで言った。
「ロンド=ベルは、か」
「ああ。あそこは他の星の人達や他の世界から来た人達も大勢いるしな」
「バイストンウェルにマーズ、デューク星にビアル星、ペンタゴナ、それにボアザンに」
「バルマーの人もいるっていうし。あそこは別だけどな」
「それを考えるとコーディネイターも小さな話だろうけど」
「実際はな」
「ああ」
そんな小さなことにもあれこれ揉めるのもまた人間であった。フレイもそうした意味で人間なのであった。
「ところで俺達もさ」
「そうだな」
フレイを除く四人は互いに頷き合った。
「やれることをやろう」
「艦長にお話してみましょう」
「ああ」
「行くか」
そして食堂を後にした。彼等は彼等で思うものがあった。
この時マリューはオービットと
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