第百五話 敵軍の歌姫、蒼き流星
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何か貴女とは他人の気がしないわ」
「私も」
二人はビールを飲み合いながら話をしている。
「何でかしらね、初対面なのに」
「気が合うわよね」
「ええ」
二人は頷き合う。そのタイミングも、おまけにプロポーションも互いに見事なものであった。
「アムロ中佐や宙君が気になったり」
「なるわ」
「そこも似てるわよね」
「何でかしらね」
「他人だとは思えないわ」
「そうそう」
「ずっとね、変だと思っていたのよ」
ミサとは言う。
「ブライト大佐やリョウ君とかがね。どうも声が似ている人間が多いって」
「うちのサイ君もそっちの勇君見て言ってたわ」
「全然違うタイプじゃない」
「それでも似てるって」
「私達も。何だかね」
「本当に。奇妙な程馬が合うわよね」
「ビール好きだし」
「幾らでも飲めるし」
「年下の男の子、好きでしょ」
「わかる?」
「わかるわよ。うちの部隊そういう子一杯いるから」
「最高じゃない、それって」
「中にはトランクス全然洗ってない子も多いけど」
「うわっ、ズボラね」
「まあ私もだけどね、ズボラなのは」
「私もね」
「そこまで一緒なんてもう信じられないわ」
「世の中そっくりな人は三人いるっていうけど」
「奇遇よね、本当に」
「それじゃあ葛城三佐」
「ミサトでいいわ」
ミサトはわざとくだけて言う。
「って貴女の方が年下なのよね」
「ええ」
ミサトは二十九歳、マリューは二十六歳である。その差はある。
「けれどまあいいわ、ミサトで」
「いいの、それで」
「私もマリューって呼ぶから。それでいいわよね」
「わかったわ、それじゃあ」
「もう一人の私に」
「乾杯っ」
二人はまたビールを飲みはじめた。そのままどんどん飲んでいく。その時ムウはムウでミリアルドと不思議な顔をして会っていたのであった。
「ライトニングカウントだったよな」
「うむ」
ミリアルドはムウの言葉に頷く。
「そちらはエンデュミオンの鷹か」
「おっ、知っててくれたんだね」
「名前はな。連邦軍のエースの一人だと」
「一応はね。モビルアーマーに乗ってね」
「そうか」
「あんたのことも聞いてるよ。何かと大変だったってな」
「迷ってきた時は確かにあった」
ミリアルドはそれを認めた。
「だが。今は違う。全てはわかった」
「それで今ここにいるんだな」
「そうだ」
「俺とは事情が違うな。俺は何か成り行きでここに来ちまったけど」
「だが貴官の参加を歓迎する」
ミリアルドはうっすらと笑ってこう述べた。
「これから。宜しく頼む」
「ああ、こちらこそな」
ムウも笑い返した。二人は同時に手を差し出し合った。それから握手をする。固い握手であった。
そしてもう一組。複雑な状況になっている面々がいた。
「あん
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