第百五話 敵軍の歌姫、蒼き流星
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ナタルが苦い顔と声で報告する。
「生存者は・・・・・・」
「えっ、それって・・・・・・」
フレイはナタルの言葉を聞いて呆然とする。
「パパが・・・・・・パパが死んだの?」
「・・・・・・・・・」
誰もそれに答えない。いや、答えられなかった。彼女にとって父が死んだということはあまりにも酷な現実であったからだ。だが。それは現実であったのだ。
「パパが・・・・・・守るって言ったのに・・・・・・」
気を失いその場に崩れ落ちる。サイが彼女を介抱する。だがどうしようもなかった。
「ストライク!来たか!」
アルスター事務官の乗る戦艦を沈めたシンは次はキラに顔を向けてきた。
「今度こそ貴様を!」
「くっ、何故アルスター事務官を、フレイのお父さんを撃った!」
「これが戦争だからだ!」
シンの目は吊り上がっていた。形相がまるで鬼の様であった。
「戦争で人が死ぬのは当然だ!御前等だって俺達の仲間を殺した!」
「違う、僕は!」
「何が違う!このユニウス=セブンでも!地球でも!そして月でも!」
シンは叫ぶ。
「大勢の人間を殺している!御前だって同じなんだ!」
「僕は、僕は・・・・・・」
「違うというなら見せてみろ!御前が違うということをな!」
シンはキラにも攻撃を浴びせる。二機のガンダムが対峙する。
「見せないというのなら・・・・・・ここで!」
「クッ!」
キラは攻めることが出来ない。シンの言葉にそれを阻まれてしまっていた。だがシンは違っていた。なおも攻撃を続ける。そこに迷いはなかった。
「殺してやる!」
「僕は・・・・・・僕は・・・・・・」
殺す、その言葉にキラは反応した。そして叫ぶ。
「死ぬわけにはいかない!皆を守る為に!」
「今守れなかったのにか!」
「ウッ!」
「俺は守ってみせる!父さんも母さんも!」
シンはキラに叫ぶ。
「マユも!何があっても守る!」
その胸の中には携帯電話があった。何故か彼はそれをいつも持っていた。
「その為には!目の前の敵は!」
「クッ!」
「誰であろうと!殺してやる!」
「この殺気!」
キラはシンのインパルスのビームサーベルをかわした。
「何処まで・・・・・・何処まで強くなるんだ!」
「あんたが何もしないのならいい!だが、敵である以上倒す!」
「僕だって、倒されるわけには!」
キラもビームサーベルを抜いた。
「皆を・・・・・・皆を守る為に!」
「じゃあそれを見せてみろ!」
「見せるつもりはない!ただ・・・・・・守る為に戦う!」
キラはビームサーベルを振り下ろす。だがそれはシンにより受け止められた。
「!!」
「この動き・・・・・・!」
二人は互いの動きを見極めていた。その技量も。
「やっぱり、強い!」
「俺の動きをだと!?アスランですらまともには受
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