暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第9話 領地視察と金儲け!?力量不足だ……
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け、調味料について聞きます。そして、醤油を作っている家に案内してもらいました。

 訪ねてみると、かなり慌てられました。まあ、いきなり領主夫人が子供連れて訪ねてくればそりゃ驚きます。取りあえず急いでいないので、相手が落ち着くのをゆっくり待ちます。ほどなくして落ち着いたのか、真っ先に謝られました。母上はそれを、とても良い笑顔で許します。

(母上。相手が慌てふためく姿を見て、喜んでたな……)

 早速開発者に、醤油について聞きます。……ここまで来ればその開発者が誰か予想できた人は居るのではないでしょうか。そう、シエスタの祖父である佐々木 武雄氏です。歳は見た目70歳前後と言ったところでしょうか? 黒髪よりも白髪の方が多くなっていました。

 私は日本の事を話したい衝動に駆られましたが、ここは自重する事にしました。日本に帰る手立てが無い私が、そんな話してもぬか喜びさせてしまうだけでしょうから。それに私が持っている知識の漏洩(ろうえい)につがなりかねません。それは許されない事です。

 彼に製造現場を案内してもらうと、良くも悪くも個人で造っていると言った感じです。小さな掘立小屋に、大人の腰より少し高いくらいの樽が幾つか並んでいるだけでした。しかし意外な事に、ちゃんとした麹があり醤油だけでなく味噌も作っていたのです。

(すばらしい。これは有益です!! 特産になります!!)

 私は手放しで喜んでしまいましたが、世の中そう甘くは無いようです。武雄氏の話によると、問題は塩(特に海水塩)の値段が高く手に入らない事です。その所為で、比較的安価(それでも平民には高い)に手に入る岩塩で代用するしかないと口にしました。岩塩だと塩自体の品質も問題で、どうしても苦味(違和感の正体)が出てしまいます。武雄氏は「以前、偶然海水塩を手に入れる機会に恵まれ、その時作成した醤油と味噌は美味しかった」と懐かしそうに語りました。私達が食べたヨシェナヴェに使われていたのは、岩塩で造った中では一番品質が良い醤油だったそうです。

 正直に言わせてもらえば、かなりショックです。

 塩の事を母上に聞きましたが、トリステイン王国内に塩の鉱脈は希少で、ゲルマニアからの輸入に頼っているのが現状だそうです。万が一塩の鉱脈が見つかれば、王家に召し上げられるのはほぼ確定。海水から作る塩は、コストが高過ぎて目玉が飛び出るほど高いとの事です。

 海さえあれば、マギの知識で安く塩を作れるのですが、残念ながらドリュアス領は海がありません。また、技術提供で余所に作らせるにもリスクが高いです。今は諦めるしかないか……。悔しいです。

 取りあえずマギ商会に、海水塩を手に入れたらタルブ村に持っていくよう命令しておきました。それを受け取った武雄氏は、海水塩で出来た醤油と味噌を送って
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