第九十五話 クワサンの鎧
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「兄さん、もう止めてくれ!」
タケルは戦いの中兄に叫んだ。
「こんなことをして・・・・・・どうなるっていうんだ!」
「戯言を。まだ言うか」
だがマーグはそれに取り合おうとはしない。
「知れたこと。この基地を破壊することだ」
「まだわからないのか、兄さんは!」
それでもタケルは叫ぶ。必死に兄に訴えかける。
「兄さんは操られているんだ、バルマーに!」
「私の国を侮辱するというのか」
「それが間違いだ!バルマー帝国は兄さんの力を利用しているだけなんだ!それがわからないのか!」
「私はバルマー十二支族ギシン家の者」
マーグはそんなタケルに対して言った。
「それでどうして利用されているというのだ。嘘をつくのは止めろ!」
「嘘なんかじゃない!」
だがタケルはそれでも言う。
「バルマー帝国、そして霊帝は自分のことしか考えていない!それがわからないのか!」
「偉大なるバルマーだけでなくその全てを統べられておられる陛下まで侮辱するとは」
しかしそれでもマーグはそれを聞き入れはしなかった。タケルの言葉そのものが耳にも心にも届いてはいなかったのだ。
「最早容赦はしない。覚悟しろ!」
「うわっ!」
衝撃波が襲った。それはタケルの足元に炸裂した。
そして大きく吹き飛ばされた。タケルは床に叩きつけられた。
「うう・・・・・・」
「覚悟はいいか、地球の戦士よ」
マーグは倒れ込むタケルを見下ろして言う。
「陛下を貶めた罪、その身で償ってもらう」
その腕に衝撃波を宿らせる。だがその時だった。
手裏剣が数枚飛んで来た。そしてマーグを襲う。
「ムッ!」
だがマーグはそれを瞬間移動でかわした。そして離れた場所に姿を現わす。
「何者だ!」
「私か」
強い男の声がした。
「私はシュバルツ=ブルーダー、ネオ=ドイツのガンダムファイターだ」
「シュバルツ=ブルーダー!?」
「そうだ、私のことだ!」
「ウッ!?」
今度は後ろから気配がした。マーグは咄嗟に身を消す。
それで拳をかわした。態勢を整えなおして再び問う。
「只の戦士ではないな」
「私はネオ=ドイツの忍者だ」
「忍者!?」
「そう、地球にはこの様な術もあるのだ」
ここでようやく覆面で顔を覆った軍服の男が姿を現わした。
「明神タケル、ここで死なせるわけにはいかん」
「シュバルツさん・・・・・・」
「さあ立つのだ、タケル」
「はい。けれどどうしてここに」
「そんなことはどうでもいい!」
だが彼はそれには答えなかった。
「それよりも今だ!この男は御前の命を奪おうとしているのだぞ!」
「し、しかし」
「甘いぞタケル!」
そしてまた叫んだ。
「敵と戦う時には躊躇してはならない!それに専念するのだ!」
「しかし俺は兄さんを・・・・・・」
「ならば心だ
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