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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#50 "melancholy of subーcast"
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。
まさかこの街で、そして私の人生であんな穏やかな時間を過ごせようとは思ってもいなかった。
本当に、本当に嬉しかった。
「………」
彼女がどう動くかは明確だ。
"上"からの命令を忠実にこなすのだろう。プロらしく。
彼がどう動くかは不明瞭だ。
自分なりの正義でも貫くのだろうか。彼らしく。
私は、どうしようか。
私は、どうしようか。
私は、どうしようか。
眼を閉じて首を上に傾ける。
喉の皮膚に軽いひきつりを感じながらも思い切り首を傾ける。
一歩前へ出て水をその傷痕が残ったままの喉へと当て続ける。
何がしたかった訳でもない。
何がどうなると思った訳でもない。
ただ声帯が半ば壊れてしまっている私にはそうするしかなかったのだ。
無性にそうしたい気分だったのだ。
あなた方には分かるか?
分からないだろうな。
大声で叫びたくとも決して叫ぶことの出来ない女が独りで何を考えているかなど。
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