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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#49 "every girl is an eternal lover for ……"
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を持ち直す。気紛れにレヴィの思考でも探ってみるとしようか。
さすがに何故だか俺が怒らせてしまったので、一発撃ち込んでやろうかなどとは考えていないだろう。
切にそう望む。
ダッチとあんな別れ方をしておきながら、アッサリとこの街からオサラバではちょっとバツが悪い。
少なくとも今度の一件が片付くまでは生きていたいものだ。
ボスに不義理をした分、相棒孝行でもした方がいいのかもな。
「………」
レヴィの横顔から街並みへと視線を流す。
あまり見つめ過ぎていれば本気で撃たれかねない。 全く素敵な相棒だ。
この時間帯のラチャダ・ストリートはやたらと寂しく感じる。
けばけばしいネオンは昼間の太陽の下では、正にまやかしの光以外の何物でもない。
無論外装はあくまで飾りであり、本質はその内側に秘めたものという見方もあるのだろうが………
立ち並ぶ店の前では、暇と時間をもて余した女達が談笑を交わしている。
わざわざ此方に愛想を振り撒いてくれる商売熱心な女達を見るともなしに見ながら、俺はただただ目的地へ向かって進んでゆく。
太陽に照らし出される女達の姿をまやかしとは呼べまい。
彼女らをまやかしと呼ぶのはただの男の傲慢だ。
単に自分自身の基盤の不確か故に他者を貶めているだけに過ぎない。
彼女ら、女性という存在全般と言い換えてもいいかもしれないが、はいつだって地に足を着けて生きている。
真実の姿を晒しだしながら。
それがまやかしに見えるのはそれを見る連中の眼が歪んでいるからだ。
少なくとも俺がこの生涯で出逢い、迷惑を掛けてきた女性達は皆強く美しかった。
どんな環境にあろうとも。
「なあ」
『ジャックポット』まであと何ブロックかという辺りでレヴィが声を掛けてきた。
やや唐突ではあったが、足を止めないまま顔を彼女へと向ける。
俺から見えるのは予想に反して彼女の横顔だったが。
「あんた、ガキが欲しいって思ったことあるか?」
「………」
続けて俺の耳に届いたのは更に予想に反した質問だった。
まさか、レヴィからそんな質問を受ける日が来ようとは………
質問に質問を返すのは不粋と知りながら、さすがに今回はこう聞き返したかった。
『何だってそんな事を聞くんだ』と。
実際には口に出さなかった。
別に粋な男を気取るつもりはない。
ただ単に早くこの会話を打ち切りたかった、と言うのが内なる真相だ。
彼女がいつものような猫っぽい笑顔でも見せてくれながらだったら、また話も違ってくるのだが。
なるべく言葉に誠実さが宿る事を祈りながら、その奇妙な質問に回答を始めた。
何とも読めない表情をしている相棒の横顔から視線を前方へと戻しながら。
「いや、無いな。
なにせ根無し草というには草に申し訳ないほどの生き方をしてきたからな。
ダッチに出会ってから少
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