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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
chapter 05 : beginning of the end
#48 "Roanapur summit"
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部下どもも使いもんにならねえ。
まともに"子守り"も出来ねえ奴等ばかりだ。
俺が何とか…
俺が何とかしねえと………
「……話はするつもりだ。
この街を火の海にさせる訳にもいかんからな。
ただ何か情報が欲しい。何でもいい。何かないか?今度の一件に関する何かだ」
張の言葉にアブレーゴが黙り込む。
今度の件について知っている事?
何も知っている訳がねえだろ!
俺以外の奴が何も知っている訳がねえんだよ、クソッタレ。
あのアバズレだってそうだ。
何も知っているわけねえ。
そうだ。知っているわきゃねえんだ。
あんなのはただのハッタリだ。そうに違いねえ。だから、今は………
時間だ!時間を稼ぐんだ!時間さえ稼げりゃ何とかなる。"まだ"何とかなる。
考えろ、考えろ、考えろ。
何が必要だ。いま何が必要だ。
あのロシア女が欲しがってるものは何だ。
餌
(
えさ
)
だ!
獣が欲しがるのはいつだって餌だ。
奴が欲しがってんのは、その中でも戦争って名前の特別な餌だ。
そんなもんくれてやるわけにゃあいかねえ。
野良犬に上等な肉を喰らわせる馬鹿はいねえ。
クソッタレな犬っコロにゃあ、腐りかけの肉で充分だ。
えさ、エサ、餌……
何だ、どんな餌を与えてやりゃあいい……
あの腐れアマに相応しい腐りかけの餌が何処かに……
…………………あっ
「よおっ……バラライカを止める方法があるぜ」
呟くような言葉だったが、二人の耳にはキッチリ届いたらしい。
張とアブレーゴの視線を受け止めながら、俺は笑いだしそうになるのを堪えてた。
そうだ。この手だ。これなら止められる。この"餌"ならあの雌犬も満足するに違いねえ。
「あの女は要するに意地になってんだよ。
テメエに喧嘩売ってきてる相手の姿が見えねえもんだからよ。
そんで俺らに八つ当たりしようってのさ。
へっ。
この街全部巻き込んで、派手に火遊びかましてストレス解消ってか。
だから女は嫌れえなんだよ。
周りの都合なんざお構い無し。 テメエの感情だけで動きやがる。
冗談じゃねえ。
何で俺らがヒス女の面倒なんぞ見なきゃいけねえんだよ。そんなもん真っ平ごめんだ!」
二人は黙って俺の話を聞き続けてる。
そうだ。テメエらは口を閉じて大人しく聞いてりゃいい。
今度の一件は俺が始末を着ける。何故なら……
「とは言ってもよ。
あの女を放っておく訳にもいかねえ。
適当な餌を与える必要がある。
獣ってやつは腹あ満たせば満足するもんさ。
だから呉れてやりゃあいいんだよ。この事件の犯人って餌をな」
アブレーゴは馬鹿みてえに口を開きっ放しのまま俺の話を聞いてる。
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