八話
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ん中で体を小さく痙攣させながら倒れる明日菜の姿があった。
(遅かったか!?)
駆け寄り様子を見るものの、外傷は無い様だ。何が起こったのかを問うが分かったのは近衛木乃香が攫われたということ。そして、明日菜をこの様な状態にした相手がまだ近くにいるかもしれないということ。
「!?」
明日菜の話を聞き終わるやいなや、桜咲は背後に現れた気配に気付いた。すばやく背後へ抜き手を放つがそれは容易く相手の左手に弾かれ、強烈な右の一撃をくらってしまう。
「あ゛……かはっ……」
床と壁とで二回程バウンドした桜咲は肺から空気を吐き出し膝を折る。それを見ているしかできなかったネギは震える体を怒りで押さえつけ、気丈にも少年を睨みつける。
「このかさんをどこにやったんですか……」
声の震えを意識せざるを得ない。だがネギは明日菜、桜咲、近衛の教師として、友達として、この少年を……
「許さないぞ!」
「それで、どうするんだい?」
だが、そんなネギの言葉も少年には何の意味もなさない。今のネギは、少年にとっては路傍の石とさして変わらないのだから。
「待て!」
高等魔術である転移魔法。逃走に使われたそれだが、ネギはそれだけで魔法使いとしての実力の差を感じずにはいられない。だが、だからと言って近衛を放っておくなどと言う選択がネギにあるはずがない。
「明日菜さんはここで待っていてください。このかさんは僕が必ず取り戻します」
決意に満ちた瞳。今、英雄の子が仲間を助けるべく勝ち目の薄い戦いにのぞむ。
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