七話
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今回の記憶喪失と同じく、分からないことばかりだ。
「おーい! 次行くぞ、次!」
「ああ」
新たに釈然としないものを胸に抱えながら、友人たちの後に続いた。
それに気付いたのは何故だろうか? 少なくとも、そんな些細なことに築く程彼とは親密ではなかったはずだ。いつもの様な勘だろうか?
「桜子、どうしたの?」
「うん、何かねー」
視線の先には違和感を感じた当人、宮内健二。
「ああ、確か美砂の彼氏の友達でしょ? どうかしたの?」
「う〜ん、何か様子が変だなーって」
「変?」
今朝はなんだか機嫌が悪かったとか何とか美砂の彼氏が言っていたのは耳にしたが、殆ど初対面の自分には未だそれが尾を引いているのか何て分かろうはずもない。桜子にはそれが分かると言うのだろうか?
「ん〜、でもそれが何かが分かんないんだよね」
「まぁ、アンタも私と変わらず初対面みたいなもんでしょ? そこまで分かったら逆に怖いわよ」
「ん〜」
何か釈然としないものを覚えながらも、桜子は健二について考えるのをそこまでにした。後から判明することだが、健二が僅かに醸し出す普段との相違に気付いたのは彼女だけだった。下に恐ろしきは女の勘。そういうもの、なのかもしれない。
――とある一室
「何であんな面倒臭い事したんや! バレたらますます面倒になるんやで!」
巫女服を来た女性、千草は対面する一風変わった学生服を着た少年を詰問していた。このフェイトと名乗る少年、彼が昨夜起こした行動のせいで、自分達の計画に大きな影響を――勿論悪い意味で、だ――及ぼす可能性があるのだ。
「すみません。ですが、彼の能力は危険だと判断したんです」
「月詠から聞いたわ。確かに気になる能力やけど、最終的には月詠に圧倒されたんやろ? どうとでもなるはずや」
月詠に聞いた話だが、件の男の戦闘力はもう一人の少年より下、とのことだ。
「いや、彼はまだ何かを隠していた。計画を脅かす程の何かを」
「…………」
言葉からは虚言は感じられない。素性が知れない少年だが、その実力は一応見せてもらい納得している。その彼が言うのならば、あの男が何かを隠し持っているというのもあながち嘘ではないのかもしれない。
「まぁ、ええやないですか〜。バレなければいい話ですし〜」
「あんたなぁ……」
今回の件でウチがどれだけの負担を負うことになったのか分かっているのだろうか? いや、分かっていないいのだろう。千草はこれ以上、怒る気にもなれなかった。
「ん〜見回りってのも案外楽じゃないのね」
「気を張っているから、と言うのもあるかもしれませんね。それに神楽坂さんには初めてのことでし
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