七話
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ほどより上がっている。速くもなるし、力も上がるわけだ。こちとらまだ不慣れで持続時間もそこそこ、最大出力は平均以下の身体強化で戦っていると言うのに。
「はっ、やっ、と〜」
「ぐっ!!」
徐々に差が大きくなっていく。この世界の戦いにおいてスペックの差を埋めるのは非常に難しい。と、言うより圧倒的なスペックの持ち主の前では多少技術が上回っていようが全くの無意味だ。様々な宝具から戦闘技術を得、未熟ではあるものの体を動かせるようになった俺。この世界で有名な流派、神鳴流を習い、俺より遥かに上手く体を動かせる月詠。この二者では月詠が上をいった。
「もらいました〜」
左に持つ干将が弾き飛ばされ手から離れる。二刀で精いっぱいだったというのに、莫耶だけで防げるはずもない。そう、月詠もフェイトも思ったはずだ。だが、武器は既に俺の中にある!
「んな!?」
左に再び顕現した干将、再び二刀にもどった俺は驚愕でスピードの落ちた月詠の剣を防いだ。今が好機! 月詠は未だ突如剣が現れたことに唖然としている。ここが最後のチャンスだとばかりに俺はチャチャゼロに合格をもらえていない出来損ないの瞬動で月詠の懐に潜り込んだ。
「残念だけど、ここまでだよ」
戦闘を開始してから一度たりとも聞くことのなかった第三者の声を聞き、俺は暗闇に飲み込まれた。
「フェイトはん、何で邪魔したんですか〜」
変わらずニコニコと笑っているものの、月詠はえらく不機嫌だった。あれは自分とあの男の戦いだ。いくら仲間とはいえ横やりを入れられて黙っていられるものではない。まぁ、自分がやられそうだった、と言うならば話は別かもしれないが今回はそうではない。確かに唖然としていた所の隙をつかれそうになったが、懐に潜り込まれた時には既に態勢を整えており充分に対処が可能だった。フェイトの実力は正確には知らないが、勘がこの男がその程度のことを分からないはずがないと言っていた。
「千草さんがそろそろピンチになりそうだから」
「千草はんが?」
ごそごそと懐をまさぐり双眼鏡を取り出し覗く。見ていればたしかに、けったいな炎の術を小さな西洋魔法使いに吹き飛ばされていた。どうやら、自分と同じ神鳴流剣士もいるようだし、ピンチかもしれない。
「ん〜とりあえずは納得しときます〜」
そう言って、月詠は千草の応援に向かった。残ったのは倒れ伏す健二と佇むフェイトのみ。
「君の力……どこか引っかかる。やはり、無力化しておくのが吉か……」
フェイトは静かに、倒れる健二に歩み寄っていった。
京の都で起きた二つの戦い。月が見守る中行われたそれは、当人達以外に知られることはなく静かに終着を迎えた。この戦いのキーパーソンである近衛木乃香は無事助けることができた。そ
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