七話
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「どうも〜神鳴流です〜〜」
「…………」
「投影、開始」
20分程前、女子たちが泊っている旅館からお猿が去って行くのを目撃した俺は明日菜達とは別ルートでお猿を追っていた。目に強化をかけてようやく見える距離の所まできて、この二人が立ちふさがったのだ。正直、まずいにも程がある。干将・莫耶を投影し、チャチャゼロとの修行で会得した魔法”戦いの歌”を行使する。
「やる気みたいですね〜」
少女……確か月詠とか言う奴が二刀を構える。顔は変わらずニコニコとしているが、気配は180°変わっている。殺気……チャチャゼロとの訓練でいつも感じていたそれを、月詠がぶつけてくる。
「ほな、いきますえ〜」
その場に残像を残して斬りかかってくる月詠、右肩めがけて振り下ろされる刀を莫耶をもっていなす。続き、流れるようにして真逆の軌道から襲いかかる小刀をバックステップで躱す。そこで一呼吸、追撃がないことを確認して大きく息をついた。
「あらら〜意外にやるみたいですな〜。それなら、これで〜ざーんがーんけーん!」
強い気を纏わせた一撃が頭上より襲いかかる。だが、それが岩をも切り裂く技であることなど相手の獲物を見た時に既に知った! それを承知で俺は干将・莫耶を交差させ、月詠の斬岩剣を正面から受け止めた。
「はれ〜?」
「ぐ……」
腕に負担がかかる……だが、それだけ。大した被害もなく俺は神鳴流の奥義に属する斬岩剣を防いだ。これには、ずっと無表情を貫いていたフェイトの奴も驚いたようだ。僅かに目を見開いている。
「む〜剣ごと斬るつもりやったのに〜」
「はっ! 君如きにこの剣は斬れんよ」
これがチャチャゼロとの修行で得たものの二つ目。宝具はこの世界の気で強化した業物と同等以上の性能を持つ。ランクはC-である干将・莫耶で魔力で強化した業物をもつチャチャゼロといつも斬りあっていたのだが、存在を保てなくなるほど傷ついたことは一度もなかった。チャチャゼロも気や魔力で強化してないのに何でそんなに丈夫なんだ、って言ってたしな。
「でも〜剣は丈夫でも人はそうはいきませんえ〜」
「百も承知だ。だが、そう簡単にはやられんさ」
再び高速移動技法、瞬動を使って斬りかかってくる月詠に対し、俺はその場でどっしりと構え迎え撃つ。攻める月詠守る俺。有る意味、ここまでかみ合う組み合わせもないだろう。時たま大きく場所を動きながらも、二人は剣を合わせていった。
「ふふふ〜楽しいです〜」
月詠のギアが一つ上がったのか、襲いかかる剣戟の速度が上がる。これまで無傷で防いできたというのに、瞬く間に体中に切り傷が出来あがって行く。
「ふふふ〜」
「!?」
手に一際強い衝撃が走る。良く見れば、月詠が纏っている気の密度が先
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