六話
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旅館は女子が泊っている旅館の正面だ。俺は隠密行動なんかできないし、向こうの旅館に侵入するなど……いや、侵入はできるか。問題はその後だな。バレずに行動出来る自信がない。よって、旅館内の出来事は基本放置するしかないのだ。
「さて、準備はしておくか」
折角風呂に入ったんだがな……そう思いながらも、俺はストレッチで身体をほぐし始めた。
一方、その頃の女子生徒側のメンバーはというと。
「3-A防衛隊結成ですよ!! 関西呪術協会からクラスのみんなを守りましょう!!」
そんな感じに、ネギと桜咲刹那の和解が成っていた。最も、明日菜はネギのネーミングセンスに不満を。あまり人と親しく接してこなかった桜咲刹那はそんな二人に戸惑いを隠せていなかったが。
「そういえば桜咲さん、クラスの皆を守るって言うのはいいんだけど……私たち三人だけで大丈夫なの?」
「そうですね……敵も今日の様な悪戯程度ならともかく、一般人を巻き込む様なことはしないはずです。護衛対象を絞れば不可能ではありませんが……」
それに、いざとなれば頼りになる奴もいますし。そう、桜咲刹那はこぼしたが、それが明日菜とネギの耳に入ることは無かった。
「ん……でも、多い方がいいのよね?」
「ええ、それはそうですが……」
何か心当たりが? そう聞いてくる桜咲刹那に明日菜は自信なさげに口を開いた。
「健二に協力してもらうのは……どうかな?」
「健二さんですか?」
明日菜の言葉に返事をしたのは質問をした桜崎刹那ではなく、横で聞いていたネギだった。桜咲刹那に関しては眉間に皺を寄せている。
「あ、桜咲さんは健二のこと知らないか。健二は「知ってます」……へ?」
「宮内健二。最近魔法使いであることが発覚した麻帆良学園男子中等部の生徒で、今はフリーの魔法使いという扱いになっていますが、今まで学園に正体を隠し続けていたことからどこかの勢力から送り込まれてきた……所謂スパイではないかと一部の者から疑われている人物です」
「「…………」」
明日菜とネギは唖然とした。桜咲刹那と口から健二に関することがスラスラと出てきたことに対してもだが、それ以上に健二がスパイと疑われていることに対して、だ。
「ちょ、ちょっと。健二がスパイって……」
頭の理解が追いついていないのか、明日菜の口調がいつものハキハキしたものとは違い、重い。
「調べから、宮内健二が何らかの魔法組織と接触していた事実は無いと判断されました」
「そ、それじゃあ!」
「しかし、両親が魔法使いでもないのに魔法を使える。これが宮内健二を疑う要因となっています」
桜咲刹那によって突き付けられた真実。魔法が使える、それだけで疑われてしまうなどと言うことは、周りが
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