六話
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感を感じていることを知らなければ、だが。もっと子供らしく生きても構わんだろうに。思ったことを口にせず、俺は馬鹿を回収し、自分たちの車両へと向かった。
「…………」
帰る途中、桜咲刹那が立っていた。僅かに眉間に皺を寄せるその表情から、此方に対する警戒心が伺える。初対面であるし、別段話すこともないので素通りしようとしたが、不意に声をかけられた。
「今回の件、どこまで知っている?」
「詳しくは知らない。精々ネギが関係があることぐらいだ。だが、何かあると言うなら力を貸すし、自分から首を突っ込むかもしれない。ネギは知り合いだからな」
「分かった」
俺の答えに満足したのか、向こうが歩を進めだす。既に馬鹿は先に行ってしまった。遅れすぎて何かを言われては何だと、俺も足早に歩き始めた。
最初の観光場所は清水寺。ある程度はまとまって行動しなければいけないが、比較的自由に行動することが許されているせいか、男どもはここぞとばかりに女生徒に声をかけ始める。……皆、そこまで餓えていたのか。
「一人で何してるのよ」
哀れなクラスメイト達を温かな目で見ていると、明日菜が声をかけてきた。友人たちとゆっくり見て回ればいいものを、と思わなくもないが、此方にに気をかけてくれるからこそ彼女は明日菜なのだろう。
「何、皆楽しそうだと思ってな」
「そういうアンタはあんまり楽しそうじゃないわね」
「…………」
それはそうだろう。この修学旅行ではラスボス級の敵が登場するのだ。旅行先が違うなら違うで心配事が尽きないが、一緒なら一緒で、別の心配事が後を絶たないのだ。
「何考えてるのか知らないけど。せっかく一緒になったんだし、楽しみましょ!」
向けられる笑顔に、一瞬だったが俺の考えていることなど吹き飛んだ。今はまた頭の中をめぐっているが、さっきよりはずっと楽になっている。明日菜の笑顔には、俺の心配事はかなわないようだ。
「ああ、そうだな」
誘われるがままに、明日菜と並び歩きだす。その足取りも、先ほどのよりもずっと軽かった。
……俺たちが音羽の滝についたころ、既に俺のクラスも含めた数十人の生徒が酔いつぶれて寝てしまっていた。
「ふう……」
あの後、3-Aと同じくウチのクラスもすぐに旅館へと向かった。尤も、こっちは向こうと違って音羽の滝に酒が悪戯でしかけられていたと正直に話してあるが。自分たちから飲んだわけではないので、当然修学旅行が中止になるなんてことはない。原作では何を焦っていたのだろうか。
「確か初日の夜は……」
風呂でネギと桜咲刹那が一悶着。その後、このかがさらわれる……だったか。風呂での一件は関われないので放置だ。なぜなら旅館が違うから。俺達男子が泊っている
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