五話
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ように腰掛けるエヴァンジェリンとケタケタと笑うチャチャゼロ。何とも嫌な予感しかしないな……これは。
「ここは私の別荘だ。貴様を治療するために連れてきた。何か質問があるか?」
「まずはありがとう、って言うべきか? そして、よく俺を治療する気になったな」
「私は別にどうでもよかったんだ。コイツが貴様を直せとうるさくてな」
「ケケケ、感謝シロヨ」
何故、チャチャゼロが……という気持ちはもちろんある。何せ実際に戦っていた相手なのだから。一体、何が目的なのか……俺には予測もつかない。
「一体、何が目的だ?」
「ソンナノ決マッテンダロ? オ前トモウ一度殺リ合イタカッタダケダ!」
突如、虚空から出現した大ぶりのナイフを手に、チャチャゼロが襲いかかってくる。その事態に混乱しながらも、干将・莫耶を投影し、迎撃に走らせた。
「何の、つもりだ」
三分程打ち合い、あっけなく倒されてしまった俺は、馬乗りになったチャチャゼロにナイフを突き付けられていた。
「決定ダ。オ前、明日カラココへ来イ」
「は?」
「今ノオ前ハ弱イ。デモ面白レェ、鍛エテヤルカラ何時カモウ一度オレと殺シアエ」
有無を言わさぬ迫力に、俺は思わず首を縦に振っていた
「あれから、か……」
その日から始まった別荘をフルに使っての修行の日々。得たもの沢山あるが、それと同等に失ったものも多い気がする。おもに俺の自由な時間とか……
「時間ダ、始メルゾ」
「ああ……」
もう一時間たってしまったか。しょうがない、行くとしよう。今度は三途の川を見ないで済むようにと願いながら……
「おーい、大丈夫か?」
「受け答えができる程度にはな」
ここ最近では唯一気を休めることが出来る学校の放課時間。本来なら眠りたいところだが、せっかく話しかけてきてくれた友人を無下に扱うわけにもいかない。
「そういえばお前、修学旅行の準備はしてるか?」
「修学旅行?」
そういえば、もうそんなシーズンだったか……毎日行われるチャチャゼロの扱きのせいですっかり忘れていた。……うちのクラスはどこへ行くんだったか。
「なぁ、うちのクラスってど[PiPiPi!]
俺の言葉を遮るように、携帯が甲高い呼び出し音を鳴らし始めた。マナーモードにすることすら忘れていた自分に呆れながらも、携帯を開き、届いたメールの内容を確認する。
[ そろそろ修学旅行ね! 健二のクラスはどこに行くの? ウチのクラスは京都よ。イギリス人であるネギにクラスの皆が気を利かせたみたい。どこに行くか分からないけど、お土産買ってくるからそっちもよろしくね!
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