三話
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にやったわけじゃないさ。早くこの戦闘を終わらせるためにした。それだけだ」
俺の言葉に良く意味が分からないといった顔をする茶々丸。もちろん、ただそんな気がするだけだ。今の茶々丸の表情を読むなんてことは俺には出来ない。
「それは一体……」
「八百メートル」
「?」
突然俺が口にした距離に、茶々丸は首を傾げる。
「これが何の距離かわかるか?」
「…………」
分からないだろう。むしろ分かったら驚きだ。……このまま、上手くいくか?
「教えてやろう。この場所より、君の主がいる場所までのおおよその距離だ」
「!?」
今度は俺でも分かるくらいに茶々丸が驚愕の表情を浮かべる。彼女なら、今までのエヴァンジェリン歩くスピードから、今どのあたりなのか予測するなど容易だろう。ここで、最後の仕上げだ。
「そして、私の矢が向かった先だ」
その言葉を聞くと同時に、茶々丸が反転して走り出す。あの矢なら、それほど先の敵を射抜くことが出来ると判断したのだろう。主が負傷した可能性がある以上、茶々丸はそちらに向かうのではないかという予測からの作戦だったのだが、どうやら成功のようだ。
「って……頬が熱持ち始めた」
ジンジンと痛む頬をさすりながら、俺は帰途についた。
「二回目の原作キャラとの会合がこんなことになるとはな……正直疲れた。もう、寝よう」
氷水を適当に放り出し、布団をかぶる。数十秒もしないうちに、俺は深い眠りへと落ちていった。
その時の俺は考えもしていなかった。茶々丸なら学園の人間の情報を得ることなど容易いことに。また、今回のことでエヴァンジェリンが俺に興味を持つことなど……本当に、欠片も考えてなどいなかった。
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