二話
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男子校だからな、女っ気がまるでないと言うのはいうまでもないが……まぁたまには異性と話したりしたいと思うのは仕方ないというものだろう。私はそんなつもりは毛頭ないが、男色に目覚めると言うのもいやな話だからな」
「はは、は……確かに、それは嫌ね」
「人事の様に言っているが、明日菜の方も同姓同士が……と言う可能性がないわけではないだろう?」
「……ウチのクラスは大丈夫、だと思いたいわ」
何を思い出したのだろうか……明日菜が暗い雰囲気を纏っている。……聞かない方がいいんだろうなぁ。
「まぁ、大丈夫だろう。……多分」
「多分とか言わないで。逆に不安になるから」
「驚いた、君は耳がいいな」
本当に小さく呟いたつもりだったが、明日菜にはしっかり聞こえていたようだ。そんなことより、今、気付いたことが一つ。
「他の四人は、どこだ?」
「本当だ、いつの間にかいなくなってる……」
いつの間にか明日菜と二人きりになってしまった。一体俺にどないせいと?
「ダメだな。見つからん」
「本当、どこ行ったのかしら?」
あれから暫く辺りを探してみたものの、他の四人は見つからなかった。……携帯が繋がらないことから何か作為的なものを感じるのは気のせいだろうか?
「しかし、どうしたものか……暫く時間を置く、という手もあるが、どうする?」
「そうね……携帯も繋がらないし、しょうがないか」
そうして、とりあえず俺達は早めの昼食をとることにした。パスタが美味しいと人気の店に行ってみたが、これが噂通りに美味かった。明日菜も笑顔で食べてたしな。良かった良かった。
「あぁ!? また失敗!」
「どれ、俺がやってみよう」
やはり携帯の繋がらない四人を探すことを諦めた俺達は、只今ゲームセンターでUFOキャッチャーをプレイ中だ。
「これで、よし」
「あ! 本当に取れたじゃない! やるわね!」
取り出し口から戦利品(熊のぬいぐるみ)を明日菜に手渡す。
「貰っていいの? 折角取ったのに」
「おいおい、男の部屋にそれを飾れと?」
「それもそうね」
その後も、いくつかのゲームで遊んだわけだか……明日菜が半端なく強かった。ゾンビを的確に撃っていく腕には惚れ惚れしたものだ。
だが、楽しかった時間にもそろそろ終わりが訪れる。
「大分、日が暮れてきたな」
「そうね〜。そろそろ帰らないと」
……結局、携帯の番号を聞くことはできなかった。これから先チャンスがあるとは限らないと言うのに……俺のバカヤロー。
「………………」
「………………」
会話無く駅への道を歩く。何とも気まずい雰囲気だ。何とかしたいと思うのだが、俺にそん
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