二話
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「俺も大して変わらんな……その場の流れに任せよう」
「そうだな」
男子二人揃ってなさけない……心中で落ち込みながらも、そろそろやってくるだろう相手に期待を高めた。
そして、遂に相手がやってきた。
陽に輝く鮮やかなオレンジの髪、左右で色の違う瞳。鈴の付いたリボンで髪を二つに縛っている少女に、俺は言葉も無く見惚れてしまった。
「それじゃあ、とりあえず動こうか。折角集まったんだし、色々と遊ばないとな」
集合した後、軽く自己紹介を行った俺達は男側の声に従いとりあえず街を歩いた。どうにも、詳しい日程は皆無らしい。その都度皆の要望を聞きながら動いていくらしい。
それよりも、だ。俺は先程、思わず見惚れてしまった少女に目を向ける。
“神楽坂 明日菜”
原作の主人公、ネギ・スプリングフィールドの最初のパートナーであり、ヒロインの一人だ。桜子が来ることは予想通りであったが、正直、彼女が来る等予想外にも程があった。だが、今ではこの出会いに感謝したい。彼女が笑っている所を見ると、コチラも何故か元気が沸いてくるのだ。
(主役級に会えた喜びか……はたまた別のものなのか……)
そんなことはどうでもいい。今、この限りある時間を楽しもう。
考え事をしている間も彼女から視線を外していなかったためか、彼女がコチラの視線に気付き、歩み寄ってくる。
「あの、どうかしましたか?」
「ああ、何だか疲れている様に見えたからな。少し気になった」
これは嘘ではなく本当に思っていたことだ。楽しそうに笑っている時もあるのだが、そうでない時は表情に若干の疲れが見える。
「あー……分かります? 実は同居人が騒ぎばかり起こして……」
「同室の者が何かやらかしたのか?」
「いえ、何かやったと言えばやったんですけど……元を辿れば私の部屋にいる事自体が問題と言うか……」
ハッキリとしない物言いだが、想像はつく。ネギの事だろう。この時期はまだバトルがなく、基本日常話だったと記憶している。
「よく分からないが。君も大変だな……ああ、それと敬語は使わなくていい。見えないかもしれないが、同い年だしな。それと、呼ぶ時は健二で構わない」
「うん、分かった。私のことも明日菜でいいわよ、健二」
名前で呼ぶ許しを得た。できれば、携帯の番号を教えてもらいところだが、急いては事をし損じるとも言うしな……いざと言う時、ちゃんと教えて欲しいと言えるだろうか? ヘタレな自分が恨めしい。
「健二」
「何だ?」
「健二は何で今日の合コンに来たの?」
なしてそんな質問をするのでありませう……まさか合コンと言う響きに憧れていたと言えるはずもない。とりあえず、適当な答えを返す。
「通っているのが
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