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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#46 "an entreaty to stop entering the war"
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んぞする気はねえ。
だから、こいつは俺の頼みだ。
古い友人からの頼みとして聞いてくれ。
今回は手を引け。
少なくとも自分から飛び込んでいくんじゃねえ。
巻き込まれて、引き込まれて、もうどうしようもねえってとこまでは何もせず待て。
もう一度だけ言うぜ。
頼む。
手を引け、ゼロ」
俺は待った。
ゼロの返事を待った。
一番古い付き合いの部下からの返事を待った。
このクソッタレな街に来てから出会った男の返事を待った。
何を考えていやがるのか分からねえ、だが不思議と信頼できる男からの返事を待った。
俺は待った。
長い時間待った。
いや、もしかしたら短い時間だったのかもしれねえ。
電話を耳に当てながら。
窓から街を眺めながら。
全身に汗が流れるのを感じながら。
ただ、待った。
ゼロからの返事を。
「ーーーー、ー-ー」
返ってきたのは短い言葉だった。
たった二つの言葉だけだった。
そして、その瞬間。
その言葉が電話を通して俺の耳に届いたその瞬間に。
俺は知ってしまった。
思い知らされてしまった。
どれ程長い付き合いを重ねようとも。
どれだけ大切な友人だったとしても。
心から信頼している優秀な部下だったとしても。
別れの時は唐突に訪れるのだと………
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