暁 〜小説投稿サイト〜
その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#46 "an entreaty to stop entering the war"
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
んぞする気はねえ。
だから、こいつは俺の頼みだ。
古い友人からの頼みとして聞いてくれ。
今回は手を引け。
少なくとも自分から飛び込んでいくんじゃねえ。
巻き込まれて、引き込まれて、もうどうしようもねえってとこまでは何もせず待て。

もう一度だけ言うぜ。

頼む。

手を引け、ゼロ」

俺は待った。
ゼロの返事を待った。
一番古い付き合いの部下からの返事を待った。
このクソッタレな街に来てから出会った男の返事を待った。
何を考えていやがるのか分からねえ、だが不思議と信頼できる男からの返事を待った。
俺は待った。
長い時間待った。
いや、もしかしたら短い時間だったのかもしれねえ。
電話を耳に当てながら。
窓から街を眺めながら。
全身に汗が流れるのを感じながら。

ただ、待った。

ゼロからの返事を。






















「ーーーー、ー-ー」

返ってきたのは短い言葉だった。
たった二つの言葉だけだった。

そして、その瞬間。

その言葉が電話を通して俺の耳に届いたその瞬間に。

俺は知ってしまった。

思い知らされてしまった。

どれ程長い付き合いを重ねようとも。

どれだけ大切な友人だったとしても。

心から信頼している優秀な部下だったとしても。



別れの時は唐突に訪れるのだと………










[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ