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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#44 "anyone doesn\\'t know course of bullet"
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ました。
それは全くいつも通りに。
静かではありますが確かに床を踏みしめながら。
そう。
"銃で撃たれた事など微塵も感じさせない五体満足な足取りで"
ソファに凭れたままの私に言葉の一つも掛けるでもなく、そのままリビングを横切り自分の部屋へと向かってゆきます。
片目だけ開けて彼の後ろ姿を追っていた私は、自分の部屋のドアに手を掛けた彼にこう声を掛けました。
「ロットン。
今夜はあの双子を見逃したけど次はそうもいかないんですだよ。
あなたの主義に反しようとも、私はあの双子を殺すね。
納得出来ないのであればそれでもいい。
でもまた私の邪魔をするようであればその時は容赦しないね。例えあなたでもね」
ロットンは背中を向けたまま振り向こうとはしません。
ですが、部屋に入ろうともせず、ただ黙って私の話を聞いています。
彼は未だに掴み切れない性格をしていますが、人の話を聞かない男ではないのです。
女の話をキチンと聞ける男は中々に希な存在です。
話を聞いてるふりが上手い男は世に溢れているのですけどね。
だからでしょうか。
私が余計な言葉を付け足してしまったのは。
「私の武器は柳葉刀。
今夜みたいに傷一つ負わないというわけにはいかないね。
だからあなたがその気なら覚悟を決める事よ」
そこまで言うと私はまた目を閉じました。
見る必要がないのなら開けておくことはないでしょう。
今夜はもう無駄な事をする気力は残っていないのです、私には。
正に無駄な事でありましたよ。
あのロシア人には申し訳ないのですけれども。
"何しろ私の相棒は此方の世界の住人にしては珍しく防弾装備など常用している男なのですから、胸を撃たれても余程の事が無い限り死ぬどころか、傷一つ負わないのですから"
自分が銃を使わないせいもあるのかもしれませんが、鉄火場に防弾装備をしていくなど無駄な事だと思っていたのですけれどね。
それでは動きを制限されるだけだろうと。
実際本当に使う人間はかなり珍しいのですけれど、それで生き残っている訳ですからね。 文句をつける事でもありませんか……
いや、そもそもあの双子を庇わなければ良いだけの話なのですけれどもね。
「………」
気配が去ったという事はロットンが部屋に入ったのでしょう。
彼の行動及び思考が私には理解出来ないというのは、今夜改めて思いしらされました。
でしたら理解しようというのも、無駄な行為という事になりますね。
あまり無駄な事ばかりし続けるわけにもいきません。
今夜はただ疲れた、で済みましたが、そんな生温い場所ではないのですからね、このロアナプラという街は。
ここは魔窟とも魔都とも呼ばれる地。
入るの
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