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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#42 "the queen of empty sky"
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とも彼女は気にも留めない。
ただ一方的に、そして気紛れに恩寵として、ドレスから零れ落ちた宝石を白い光に変え、降り注ぐだけだ。
痺れるほど美しく、凍えるほど非常な光を。
俺達はその光の下、踊り悶える。
自らの
業
(
カルマ
)
を暴きだされてな。
だがそれでも人は空を見上げる。届かないと分かっていても手を伸ばす。
哀しい目の幼子達よ、俺は知りたい。
君達ならば届くのか、彼女の後ろ姿に。
君達には聴こえているのか、囁きかける彼女の声が」
おにいさんはそう言うとじっとぼくたちを見つめる。
答えを待つように。
待たれても困るんだけどなあ……
おにいさんはそう言ってじっとわたしたちを見つめる。
答えを待つように。
どれだけ待たれても答えなんて返せないわ。
お月様はわたしたちに何も語ってはくれないもの。
ただお空に浮かんでわたしたちを見ているだけよ。
わたしたちが何をしていても。
わたしたちが何をされていても。
わたしはただ黙っておにいさんを見続けた。
お月様がそうしているように……
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