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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#42 "the queen of empty sky"
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な状況でそんなふざけた言葉を吐くなんて。
彼の歩みは止まらずどんどん二人に近付いていきます。
二人もさすがに会話を止め、自分達に近付いてくるサングラスの男に注意を向け始めました。

ああ……
やっぱりアイツとは一緒に組むべきではなかったのでしょうか。
立ち尽くす私の背中をソーヤーが優しく叩いてくれます。

ありがとう、ソーヤー。
貴女がいなかったら、私どうなっていたか分からないよ。

ゴスロリ服の優しい始末屋さんに慰められていた私の耳に、二人の前に辿り着いたロットン の声が夜の風に乗って届きます。

『月は君達に何か語りかけたか?』

……結局私はアイツの事を何にも理解していなかったということですね。
これからも理解することはないのでしょう。
私の全く知らない言葉で話す彼の背中を見ながらそんなことを考えておりました……















【11月2日 PM 11:04】

Side ゼロ

「そういや、聞きたかったんだけどよ」

「うん?」

ベッドの脇からレヴィが首を捻って俺を見上げてくる。
今夜は俺にしては珍しく喋り過ぎたからな……
大人しく相槌を打ってくれていた彼女に視線で質問を促す。
ここからは質疑応答の時間かな?

「アイツらって知り合いだったのか?
ほれ『イエロー・フラッグ』で声掛けてきた、あの二人組だよ」

二人組……シェンホアとロットンか。
まさかアイツらとこんなに早く出会うとは思わなかったが。

「知り合いという程知ってるわけじゃない。
少なくとも向こうは俺の事は知らんだろうな。
まあ、今は張あたりから色々吹き込まれてるのかもしれんが」

「張?
張って、旦那の事か。
あの二人、三合会の関係者なのか」

レヴィがそのアーモンド型の目を見開いて更に質問を重ねてくる。
さすがのレヴィでも張の名前が出てくれば驚くか。

「基本的にはフリーランス……のはずだ。
ただ女の方に少し鎌を掛けてみた。別れ際に広東語で話し掛けただろう?
『張によろしく』って言ってみたんだ。確かに伝えておいてくれるとさ。
タイミングを考えれば今度の一件を片付けるために呼んだというわけでもなさそうだ。
街は外部からのお客さんで賑わってるからな……
彼等、というか男の方が騒動の匂いに惹かれて、やって来たんじゃないかな。
張からすれば使える手駒は多いに越した事はない。
それにフリーの人間の方が使いやすい場合もあるしな」

さて、張の奴が何を考えているのやら。
意外と裏で動き回るのが好きな奴だからな。
本人は立場上仕方なくやっている、なんて言うのかもしれないが。
人間本気で嫌な事はやらな
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